【日系自動車メーカー・ADAS比較】自動運転・ADAS技術開発の最新動向

2018.09.25
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自動車メーカー各社は将来的な交通死亡事故ゼロの実現に向けて、自動運転技術の実用化に向けた前段階として独自の先進運転支援システム(ADAS)の搭載車種拡大を推進。それと並行して、システムの性能や機能向上に取り組んでいる。FOURINは今回、日系乗用車メーカーを対象に、ADAS機能の中で、比較的重要性が高い前方認識を利用するシステムを中心に各社の開発動向をまとめた。

日本市場では、高速巡航や渋滞時の運転支援に消費者のニーズが高い。このため各社は追従式クルーズコントロール(ACC)の導入を推進。さらに一部の上級モデルを中心にカメラ(単眼又はステレオ)による先行車と車線認識機能を利用し、車速0km/hからの追従式ACCと車線逸脱防止システムのステアリング操作支援を組み合わせて発展させた車線中央走行維持(レーントレース)を設定するモデルも増加。

具体的には、日産がSerena等に搭載しているProPILOTや、トヨタが2017年以降に搭載している新世代型システムLexus Safety System+A、Toyota Safety Sense(一部上級モデルのみ)、ホンダのHonda SENSING(同)、スバルのEyeSightツーリングアシストなどである。0km/hからシステムが加減速・操舵の作業を支援することで、渋滞から高速巡航までのドライバーの負担軽減を図り、事故防止につなげる狙いがある。

そのほかの車線逸脱防止機能では、各社がカメラによる車線認識を利用して表示や音声による警告だけでなくステアリングによる補正機能の追加設定を進めている。ステアリング補正はトヨタ、ホンダ、日産、マツダの主力車種に設定されているほか、スズキも2017年に発売した新型Swift Sportに新たに搭載しており、上級グレードではあるが、コンパクトカーへの搭載も進んでいる。

自動緊急ブレーキ(AEB)については、各社で作動車速域に違いがあるが、ほぼ全てのメーカーで設定されている。近年は、カメラによる画像認識精度の向上を背景に、先行車や対向車だけでなく、歩行者や自転車の認識を行う機能も設定されている。各社は前方の障害物認識にカメラを利用(ミリ波や赤外線レーダー等と組み合わせ)し、支援システム搭載車ほぼ全てで昼夜問わず、車両と歩行者を認識可能なAEBを設定している。

またトヨタの最新システムLexus Safety System+AやスバルのEyeSightツーリングアシストの機能では、車両・歩行者に加えて、自転車の認識も可能としており、カメラによる認識精度向上を通じて、AEBの作動領域を広げることで衝突事故の回避性能向上を図っている。

またメーカー各社の最新システムでは、車線逸脱防止や自動緊急ブレーキの機能・性能向上だけに留まらず、将来的な高度自動運転を見据えた技術を市場投入する動きもある。具体的には、トヨタはLexusの最上級モデルLSの新型モデルに、ドライバーの運転操作状況をベースにドライバーの異常(病気発作等)を検知して、自動的に車両を停め、医療機関等へ通報するシステムを設定した。マツダもドライバーの運転時の操作状態のデータを学習し、ドライバーの疲労を検知し警告するシステムを実用化している。

このほかスバルは、室内カメラでドライバーの脇見や居眠りを検知して注意を促すモニタリングシステムを2018年に投入する新型Foresterに自社量産車として初採用。主要各社が高速道路での自動運転技術の導入を想定している2020年を前にシステムとドライバー間での運転タスク移行に向けた技術が実用化されつつある。

日本乗用車メーカーの最近の主な自動運転技術・ADAS技術開発動向

トヨタ

 ▽自動運転・ADASへの取り組み

トヨタは全ての人に移動の自由を提供することを目指したMobility Teammate Conceptの下、自動運転技術の開発に注力している。

人とクルマが協調しながら、システムがドライバーを見守り、時には助け合う環境を構築する。高齢者や身体の不自由な人でも自由な移動手段を提供しながら、クルマを操る楽しさを両立させることを目的とする。短期的な技術目標として、2020年に高速道路での自動運転技術Highway Teammateを実用化するほか、2020年代前半に、自動運転技術を一般道で活用するUrban Teammateの実用化を目指す。

2018年以降に市場投入する新モデル(新規投入・全面改良)において、運転支援パッケージToyota Safety SenseとLexus Safety System+の新世代システムを設定する。

- 高度自動運転技術実現の前段階として、運転支援システムの機能や性能を強化するとともに、搭載車種の拡充を推進。Lexusでは、2017年10月に全面改良された新型LSに新世代システムLexus Safety System+Aが先行して搭載された。既存のシステムの機能や性能を高めて、運転支援範囲を拡大。

▽自動運転の開発・試験状況

トヨタは、米国で人工知能などを研究するToyota Research Institute(TRI)を中心に自動運転技術開発を推進。2018年6月時点で、Lexus LSをベースとした試験車両を用いて開発に取り組んでいる。

 自動運転モードとして、ドライバーの運転をメインにしてシステムが運転状態を見守り、必要に応じて支援を行うガーディアンモードと、システムが車両周辺を検知して安全なルートを自動で走行するショーファーモードを設定し、高齢者や体が不自由の人の移動手段を実現しながら、運転の楽しさを確保する。カメラをはじめとしたセンシング機能は、両モードとも同一の物を活用できるようにした。

試験車両を通じて、高性能LIDARによる車両外部状況の認識精度の向上や、システムとドライバー間での安全な運転タスクの受け渡しに関する研究。人工知能によるドライバーの状態把握等について研究を行っている。

2018年3月に自動運転技術開発強化を目的に、トヨタ、アイシン精機、デンソーの3社と連携して、研究開発会社Toyota Research Institute Advanced Development(TRI-AD)を東京都に設立。

- トヨタは米国TRIを通じて連携。自動運転のソフトウェア開発やデータハンドリング技術の研究を実施。

- トヨタはグループ内でのサプライヤーとの連携を通じて、研究成果の製品への展開を容易とするほか、各社トップ人材を通じてトヨタグループ全体の自動運転技術開発を強化する。資本金は5,000万円でトヨタが90%、デンソーとアイシンがそれぞれ5%出資。

トヨタは2018年5月、ビックデータ分析やアルゴリズム開発等を手掛けるALBERTに資本参加すると発表。トヨタは約4億円でALBERTの第三者割当増資の株式を引き受ける形で資本参加する。 ビッグデータ解析に強みを持つALBERTと連携することでトヨタのAI技術開発でのデータ分析プロセスを強化。AIの性能向上を目指し、大量データを効率的に分析処理できるようにして、トヨタの自動運転技術開発のスピードアップを図る。

トヨタは2018年5月、英国のAlan Turing Instituteと人工知能を用いた交通流最適化や都市計画関する共同研究を行うと発表。人工知能を活用した都市内の交通流最適化に向け、様々な交通機関をリアルタイムで管理可能な体制を実現する。

- 人工知能を通じて、都市での利用者ニーズの変化や交通手段の変化に合わせた交通管理を実施。渋滞の緩和などを背景とした都市における快適性や安全性の追求、大気汚染による健康被害の軽減などを目指す。

トヨタは2018年10月に、Michigan州に自動運転開発専用の新テストコースを開設する予定。Michigan州Ottawa Lakeに所在するMichigan Technical Resource Park (MITRP)のオーバルコースの内部に新設する。

- TRIの専有施設として建設。混雑した都会の交通状況の再現や、滑りやすい路面、出入り口を含めた片側4車線の高速道路などを再現した施設を設置。既存の施設に加えて、新たにテストコースを新設して、公道外でのテストをより広範囲に実施できる体制を整備して開発のスピードアップを図る。

▽アダプティブクルーズコントロール(ACC)

トヨタはミリ波レーダーと単眼カメラ(Lexusの最新システムではステレオカメラ)により先行車の存在とその距離を認識し、全車速域での追従が可能。また、先行車の車線変更認識や自車の車線変更に合わせてスムーズな加減速制御を行う制御も一部の上級モデルに採用。

- 車線変更時の加減速制御はAlphard/Vellfireなどに搭載されるToyota Safety Senseに設定されているほか、Lexus車の支援システムLexus Safety System+以上の搭載モデル設定。

▽車線逸脱警報/車線維持支援(LDW/LKA)

車線逸脱防止技術では、カメラにより車線を認識して、車線変更(ウインカー操作)以外で車線逸脱の可能性を検知した場合、警告音または、警告音とステアリング操作支援でドライバーに通知。 車速50km/h以上でステアリング操作支援機能が作動。PriusやCamryなどに設定されているほか、Lexus Safety System+にも設定されている。

Toyota Safety Senseの新機能としてレーントレーシングアシスト(LTA)機能を搭載。カメラで車線を認識して、車両が車線中央を走行するように、ステアリング操作を支援。ACCと組み合わせることも可能。先行車を認識し、車線中央を走行しながら先行車を追従。白線が無い場合でも先行車認識して追従しながら、ステアリング操作を支援。 カーナビデータと連動し、カーブ侵入時に速度が早い場合は自動で車速を落として、安全にカーブを通過する。

- Alphard/Vellfireなどに搭載されるToyota Safety Senseに設定。 

トヨタのレーントレーシングアシストのコーナー侵入時のイメージ

Lexusの新世代システムLexus Safety System+Aでは、CoDriveとして従来(Lexus Safety System+)の追従式クルーズコントロールやLTA等の車線逸脱防止支援技術に加えて、新たにレーンチェンジアシストを追加。LTA作動時におけるレーンチェンジ時の運転操作を支援。

車速50~130km/hの範囲で作動。カメラやミリ波レーダー等によるセンサーで車両周囲の状況を把握して、安全が確認できたらレーンチェンジのためのステアリング操作を支援する。車線変更後はLTAに移行する。 2018年6月時点でLexusの新型LSに搭載されている。

▽自動緊急ブレーキ(AEB)

Lexus Safety System+Aと最新のToyota Safety Senseには、歩行者と自転車に対応する衝突回避緊急ブレーキを搭載。従来システムでは車両又は車両と歩行者の検知であったが、新たに自転車認識機能が追加された。カメラとミリ波レーダーを使用して前方の歩行者や先行車・自転車を認識し、ブレーキ操作支援で衝突回避や被害軽減を図る。歩行者と車両は昼夜認識が可能で、昼間に限定して自転車の認識が可能。

 自転車対応システムはAlphardやVellfireに搭載されている最新のToyota Safety Senseに設定。対車両・歩行者はPriusやCamryなどに設定、車両のみの対応(距離検知はレーザーレーダ)では、Corolla AxioやPorte/Spadeなどのコンパクトカーに設定されている。

- ブレーキアシスト/自動緊急ブレーキは、対歩行者で10~80km/h、対車両で10~180km/h、対自転車で10~80km/hの範囲で作動。(最新仕様では歩行者と自転車40km/h以下で衝突回避を支援)。

 Lexus Safety System+Aでは、緊急自動ブレーキ支援に加えて、ブレーキのみでは衝突が回避できないと判断した場合、ステアリングによる回避支援機能を設定し、事故回避率を高める。操舵による衝突回避支援は対歩行者で40~65km/h、対ガードレールで60~80km/h。

トヨタ、Lexus Safety System+Aの衝突回避支援プロセスのイメージイラスト 緊急自動ブレーキ支援に加えて、ブレーキのみでは衝突が回避できないと判断した場合、ステアリングによる回避支援機能を設定し、事故回避率を高める。

▽その他の自動運転・ADAS

Lexus Safety System+Aでは、オートハイビーム制御において、先行車や対向車をピンポイントで遮光するアダプティブハイビームシステムを搭載。上段に8個、下段に16個LED光源配置。ステレオカメラで周囲の明るさや対向車のヘッドランプ、先行車のテールランプを認識してLED光源を個別に制御して、先行車や対向車をピンポイントで遮光する。これにより夜間でのハイビーム使用による視認性の確保と車外の眩惑低減を図る。

Lexus Safety System+Aでは、ドライバーの異常を検知して、停車や緊急通報を行うドライバー異常時停車支援システムを搭載。LTA作動時、ドライバーの無操作状態が継続した場合、音声と表示でドライバーに警告。警告後も操作が無い場合は、緩やかに減速・停車させ、ハザードランプやクラクションで周囲に異常を通知するとともに、自動で救命要請の連絡を実施する。

トヨタ、Lexus Safety System+Aのドライバー異常時停車支援システムの説明イラスト。ドライバーの以上を検知して、停車や緊急通報を行うシステム。

ホンダ

 ▽自動運転・ADASへの取り組み

ホンダは事故ゼロと全ての人に自由な移動の喜びを提供することをスローガンに掲げ、自動運転技術の研究開発を進めている。短期的な目標として、2020年での高速道路の自動運転技術を実用化するほか、2025年をめどにパーソナルレベルでの自動運転技術の投入を掲げている。

ホンダは2017年以降、ラインアップ全体の安全性向上に向け、安全運転支援システムHonda SENSING(Acura Watch)の性能や機能の向上、搭載車種の拡充を図っている。日本では主要モデルの全車種にHonda SENSINGを標準装備する。登録車だけでなく軽乗用車や軽商用車にも設定する。

2018年4月には、米国においてHonda SENSING搭載車の販売台数が100万台を突破。ホンダは2022年までに、米国で販売する全ホンダ車にHonda SENSINGを標準搭載する方針。

▽自動運転の開発・試験状況

ホンダは自動運転の開発において、事故のリスクなど危険に近寄らない運転を目指し、ドライバーに信頼感と安心感を提供するとともに、車外の人にも安心を提供できるようなシステム開発を推進。

2020年の高速道路での自動運転実用化に向け、カメラやレーダー、LiDAR、3D地図データ、ドライバーモニタリングシステムなどを活用する。またAI技術の開発のほか、カメラやLiDAR技術を駆使して車両周辺認識の高精度化を目指す。AI開発では、

日本では2017年に設立した本田技術研究所のR&DセンターXを中心にAIやロボティクスなど新領域の研究開発を進めている。

AIやセンシング技術の開発強化に向け、ホンダは、オープンオープンイノベーションを強化し、グローバルで有能なスタートアップとの協業や共同開発を推進。

- 米国Silicon ValleyでAI技術などの研究を進める本田技術研究所の子会社Honda R&D Innovationsが進めるオープンイノベーションプログラムHonda Xceleratorを通じてスタートアップとの協業を推進。2018年1月のCESには、Honda Xceleratorのスタートアップ企業とその技術を公開した。技術は主に、AIを活用して自動運転中のドライビングスタイルをユーザーに合わせて最適化する技術や、高精度マップとリアルタイム位置情報技術による高精度の走行環境把握、カメラの画像補正による画像認識精度向上に向けたレンズ技術、ソフトウェアの追加によりインターネット経由で誤差補正を行う高精度GPS情報取得技術、ジェスチャーコントロール技術、AR技術など。

- 2018年のCESでは、人との協調をテーマしたAIとロボティクス技術を活用したコンセプトを発表。オープンイノベーションを米国やイスラエルのほか、日本、中国、欧州でも積極的に展開する方針。

2017年12月には、中国・香港系のIT企業SenseTimeと自動運転やAIについて共同研究開発する契約を締結。SenseTimeはディープラーニングを用いた画像認識に強みを持つため、ホンダのシーン理解やリスク予想、行動計画などのAIアルゴリズムと融合して高精度の自動運転制御の開発を図る。

▽アダプティブクルーズコントロール(ACC)

ACCはHonda SENSINGを搭載する全モデルに設定されている。単眼カメラとミリ波レーダーで先行車と先行車までの距離を検知して追従。

フラッグシップセダンLegend(Acura RLX)から軽自動車まで設定。軽自動車には2017年投入の新型N-BOXに搭載。2018年に市場投入されるN-VANにも搭載される見込み。作動範囲は30km/h以上。LegendやOdyssey、Civicなどの一部モデルには、車速0km/hに対応する渋滞支援機能が追加されている。

▽車線逸脱警報/車線維持支援(LDW/LKA)

Honda SENSING搭載の全モデルに路外逸脱抑制機能と車線維持支援システムを設定。単眼カメラにより白線を認識し、車線変更以外で車線を逸脱しそうな場合に、メーター内に表示するとともに、ステアリングを振動させドライバーに通知。それでもドライバーによる修正操作が入らず、車線を大きく逸れるとシステムが判断した場合は、ステアリング操作支援や自動ブレーキにより逸脱を防止。

- 路外逸脱抑制機能の作動範囲は60~100km/h。カメラで歩行者も認識し、10~40km/hの範囲で車線逸脱の可能性と歩行者へ衝突リスクを検知した場合、ステアリング操作を支援し回避行動を行う、歩行者事故低減ステアリングシステムも設定。

車線維持支援システムは、走行中のふらつきを防止するシステムとして、カメラで車線を認識して車線中央を走行するように、ステアリング操作を支援。車線維持支援システムの作動範囲は65km/h以上。

フラッグシップモデルLegend(Acura RLX)では、渋滞支援機能としてACCと車線維持支援システムを組み合わせたシステムトラフィック・ジャムアシストを搭載。0~65km/hの範囲で先行車を追従しながら車線中央走行維持のためのステアリング操作を支援。

▽自動緊急ブレーキ(AEB)

衝突軽減ブレーキをHonda SENSING搭載の全車種に設定。単眼カメラとミリ波レーダーを用いて先行車・対向車、歩行者の存在と距離を検知(昼夜対応可能)。5km/h以上で対象物との相対速度が5km/h以上ある場合にシステムが作動。対歩行者では80km/h以下の領域で作動する。

衝突の危険を検知した場合は、音声やメーター内の表示で警告(一部モデルでは、アクセルペダルの振動でも警告)、それでも操作がない場合はブレーキの自動制御(一部モデルではシートベルトの引き込みでも警告)で衝突回避、被害軽減を図る。自動ブレーキやベルトの引き込み操作は2段階で、はじめは軽く作動し、衝突のリスクが大きくなると、強く作動する。

- 対向車との衝突被害軽減にも対応、対向車では、衝突の危険を検知した場合、音声と表示に加えてステアリングの振動でドライバーに警告、それでもドライバーによる回避行動がない場合は、自動でブレーキを操作し衝突回避を支援。自動ブレーキの操作は先行車や歩行者と同じ2段階。シートベルトの引き込みは1段階(衝突リスクが高まった時に強く引き込む)。

▽その他の自動運転・ADAS

Honda SENSINGの搭載車全車にオートハイビームを設定。単眼カメラで先行車を認識して、ハイビームの切り換えを制御。作動範囲は30km/h以上。

フラッグシップセダンのLegendには、オートハイビームに加えロービームの光源4灯に7度ずつ外側に照射するレンズを設置し、ワイドなロービーム照射が可能であり路肩や交差点などの歩行者の認識などを容易とした。ホンダ、トラフィック・ジャムアシストのイメージ図。高速道路などにおける0km/h~約65km/hでの走行時にアクセルブレーキ制御とステアリング制御が作動するシステム

日産

▽自動運転・ADASへの取り組み

日産は自動運転技術や電動化技術の進化と普及に向けたスローガンNissan Intelligent Mobilityの下、自動運転技術であるProPILOT技術の性能進化や搭載モデルの普及拡大を推進。ProPILOTでは、Mobileyeの画像認識チップを用いた単眼カメラを用いた同一車線自動運転技術を2016年に日本の1BoxミニバンSerenaへ搭載。これを皮切りに、グローバルで搭載車種の拡大を推進。

2022年までに、日産はProPILOTを20車種に搭載し20市場に投入。ProPILOT搭載モデルの販売台数を2022年までに年間100万台を実現する計画(2017年度は12万台以上を販売)。2018年度にはAltimaやRogue Sport、Infiniti QX50にProPILOTを導入する予定。

ProPILOTの性能と機能を向上させ、2019年度内に高速道路の複数車線の走行に対応するシステムを日本国内で実用化する計画。また2020年をめどに交差点などの一般道での活用が可能な自動運転技術の実用化を目指している。

2022年までに、Renault-日産、三菱自のアライアンス内で様々なレベルの自動運転技術を40車種に搭載する方針。

さらに、2022年までに、自動運転技術を活用した無人運転の配車サービスやカーシェア事業の展開を目指している。

▽自動運転の開発・試験状況

日産はProPILOTの性能や機能向上と将来的な高度自動運転の実現に向け、国内外での提携や公道試験の実施を推進。

2018年3月、DeNAと共同で無人運転車両を使用した新交通システムEasy Rideの実証実験を実施した。みなとみらい地区の限定区間約4.5km(日産グローバル本社と横浜ワールドポータズ間の区間)で運営。スマートフォンによる配車予約アプリなどと連携。車両の位置情報は24時間体制で管理センターが把握し、また不測の事態には、遠隔での操縦することで、安全性を確保。車両には、カメラやレーザーセンサー、レーダー等を搭載し、車両全方位の状況を把握する。

日産、Easy Rideで使用した試験車両のセンサー配置を説明する図

Renault-日産、三菱自は2018年1月に技術開発強化に向けたオープンイノベーションを強化することを目的に、ベンチャーキャピタルファンドAlliance Venturesを設立すると発表。自動運転技術や電動化、コネクテッド分野などのオープンイノベーションのパートナー企業へ最大2億ドルを投じる予定。潜在能力が高い新興企業への投資を通じて、新技術や新ビジネスの取り込みを狙う。

日産は2018年2月、スタートアップ企業の支援を目的に、米国のアクセラレーター企業Plug and Playの日本法人と連携することを発表。日産はPlug and Playとの連携を通じてスタートアップ企業とのネットワーク拡大や協業の強化を狙う。

スタートアップ支援に向けたRenault-日産と三菱自のファンドAlliance Venturesとも連携を強化する。

▽アダプティブクルーズコントロール(ACC)

ACCはProPILOTの一つの機能として搭載。単眼カメラ(マルチセンシングカメラ)により車両前方の状況を三次元で認識し、先行車の存在と距離を認識して、30~100km/hの範囲で先行車を追従する。

- 渋滞運転支援として、先行車が停止した場合、ドライバーがブレーキ操作を行わなくても、自動で減速・停止及び停止を保持。

▽車線逸脱警報/車線維持支援(LDW/LKA)

マルチセンシングカメラで車線を認識して、車線変更以外で車線逸脱の可能性を検知した場合、ドライバーへ音声で警告するほか、一部モデルではブレーキ制御により車両を線内に戻すための支援を行う。60km/h以上でシステムが作動。車線逸脱警報は軽自動車のDAYZシリーズをはじめ、様々なクラスに設定。車線逸脱防止支援は大幅改良のNOTEやProPILOT搭載車に設定。

ProPILOTの設定車種では、車線中央走行を支援するためのステアリング操作支援機能を搭載。ACCと連動して、追従式クルーズコントロール中に車線中央をキープしながら先行車の追従を可能とし、高速巡航や渋滞時のドライバー操作負担を軽減する。

▽自動緊急ブレーキ(AEB)

カメラ又はミリ波レーダーを利用した、自動緊急ブレーキシステムを主要モデルに展開。対先行車のみの仕様ではミリ波レーダーを搭載し、先行車までの距離を検知して、ディスプレイの表示や音声による警告や自動ブレーキによる衝突回避を支援する。

ProPILOT装着車などの最新のモデルでは、単眼カメラにより先行車や歩行者を認識して、音声や表示で警告と自動ブレーキを作動させる。

衝突回避支援は10~80km/hの範囲で作動。対歩行者検知については60km/h未満の条件で作動。30km/hの車速で衝突を回避する効果がある。カメラによる歩行者認識機能は昼夜有効。

▽その他の自動運転・ADAS

日産ではカメラによる先行車・対向車認識を活用して、ProPILOT搭載車や車外認識のマルチセンシングカメラの搭載モデルにオートハイビーム制御機能を搭載。

日産はProPILOTの技術を活かして、駐車支援システムProPILOTパーキングを新型Leafに設定。前後左右の高解像カメラ(4個)によるリアルタイムの画像処理と車両周辺のソナー(12個)による障害物検知の情報を組み合わせて車両周辺状況を把握。駐車スペースの認識後、シフト(駐車終了後のPレンジ設定も含む)、操舵、加減速を自動で制御し、駐車操作を支援。

三菱自

 ▽自動運転・ADASへの取り組み

三菱自は資本提携するRenault-日産アライアンスとの連携を活用し、自動運転技術の搭載車の拡充を図る。2022年までにアライアンス全体で40車種に自動運転技術を搭載する計画。

三菱自単独では、日本国内の主要モデルに自社の安全運転支援システムe-Assistを設定。 軽自動車のeKシリーズから、Outlander、Eclipse Cross、RVRなどの主力量販SUVモデルに設定している。

▽自動運転の開発・試験状況

三菱自は提携パートナーであるRenault-日産と連携しながら自動運転技術の研究開発を進めており、投資ファンド等を通じたスタートアップ企業との連携強化を図っている。詳細は日産のAlliance Ventures項目を参照。

三菱自は自動運転技術において独自のAIによる運転支援コンセプトを2017年以降、各モーターショーで公表している。MITSUBISHI e-EVOLUTION CONCEPTにAIシステムを搭載。車両周辺センサーにより道路環境や交通状況を把握しながら、AIがドライバーの意図を読み取り、ドライバーの運転技量を問わず、安全、快適な運転を支援する。

AIによる三菱自独自のコーチング機能を搭載し、AIがドライバーの運転技量を把握し、技量向上につながるアドバイスを行う。これにより、ドライバーの意のままに操縦する楽しさを実現しながら、コーチング機能を通じた運転技量向上によりクルマを乗りこなす楽しさを提供する。

- 2017年の東京モーターショーを皮切りに、2018年の北京モーターショーにも同コンセプトカーが展示された。

▽アダプティブクルーズコントロール(ACC)

e-AssistのACCは単眼カメラとミリ波レーダーを用いて、先行車の存在と距離を検知し、追従走行を実施。

先行車が存在しない場合40~100km/hの範囲でクルーズコントロールを実施。先行車がいる場合は、停止まで対応。ただし、停止保持は無いため、長時間停止の場合はブレーキ操作が必要。先行車が途中離脱した場合は、40km/h以下でもクルーズコントロールを継続。先行車との車間距離を3段階で調整が可能。

▽車線逸脱警報/車線維持支援(LDW/LKA)

単眼カメラで車線を認識して、車線変更以外で車線逸脱の可能性を検知した場合、ドライバーへ音声や表示で警告する。 60km/h以上でシステムが作動。

▽自動緊急ブレーキ(AEB)

赤外線レーザーレーダー又はミリ波レーダーとカメラにより、先行車と歩行者を認識、音声警告や自動ブレーキ操作支援で衝突回避・被害軽減を支援。 5~80km/hの範囲で作動。対歩行者では5~65km/hの範囲で作動する。30km/h以下で衝突を回避できる可能性がある。

- eKシリーズの軽自動車には、低車速域衝突被害軽減ブレーキシステムを搭載。赤外線レーザーレーダーを用いて5~30km/hの範囲で先行車を認識し、表示や音声、自動ブレーキにより衝突回避や被害軽減を支援。15mk/h以下で衝突を回避できる可能性がある。

▽その他の自動運転・ADAS

三菱自ではカメラによる先行車・対向車認識を活用し、オートハイビームを搭載。25km/h以上の車速範囲で作動し、軽自動車にも他社に先駆けて採用。2018年現在では軽自動車からOutlanderなど主力車両に設定されている。

マツダ

 ▽自動運転・ADASへの取り組み

マツダは独自の安全思想Mazda Proactive Safetyの下、ドライバーを危険な状況に晒すことを回避するため、ドライバーの認知、判断、操作を自動車側がサポート。人間中心の車両設計思想の下、ドライバーの視認性向上やペダルやスイッチ類の操作負担軽減を追求。自社の安全運転支援システムi-ACTIVSENSEを2017年以降に投入する全主力モデルに標準搭載する計画である。

マツダは2020年頃をめどに、自動運転技術を活用した運転支援システムMazda Co-PILOT Conceptの導入を目指している。人間中心の車両設計思想をベースにドライバーとシステムが協調するシステムを目指す。

ドライバーの運転をシステムが見守り、システムが運転を支援して危険を回避するCo-PILOT(副操縦士)の運転補助機能とすることで、安心と安全、走る喜びをユーザーに提供する。

▽アダプティブクルーズコントロール(ACC)

マツダレーダークルーズコントロールとしてマツダのi-ACTIVSENSEの一部として設定されており30~100km/hの範囲で作動。

▽車線逸脱警報/車線維持支援(LDW/LKA)

単眼カメラで車線を認識して、車線変更以外で車線を逸脱する可能性を検知した場合、音声により警告を行う車線逸脱警報が設定されている。45km/h以上の車速域で作動。警告音は逸脱の危険性がある側のスピーカーから流して直感的にドライバーへ危険を伝える。

最新仕様のi-ACTIVSENSEでは、車線逸脱警報に加えて、レーンキープアシストシステムも設定されている。60km/h以上の車速域で作動。車線逸脱の可能性を検知した場合、システムがドライバーのステアリング操作を支援することで、逸脱を防止。

またレーントレース機能も設定されており、カメラが車線を認識して、直線やカーブでも車線中央を走行するようにシステムがステアリング操作を支援する。

▽自動緊急ブレーキ(AEB)

最新仕様のi-ACTIVSENSEでは、単眼カメラによる画像認識を活用したアドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポート(アドバンストSCBS)を設定。対車両で4~80km/h、対歩行者で10~80km/hの車速域で作動する。

衝突の危険がある場合は、音声や表示でドライバーへ警告するほか、自動ブレーキ制御により衝突回避・被害軽減を支援。 最新仕様では単眼カメラの改良により、検知角度を従来比2倍に拡大したことで歩行者の検知を可能としたほか、歩行者及び車両の認識を夜間でも可能とした。

- 2018年に大幅改良となったAtenzaやCX-3などに設定。従来型のSCBSは低速時の追突軽減システムで、赤外線レーダーで先行車を検知、4~30km/hの範囲で自動ブレーキによる衝突回避・被害軽減を支援する。

▽その他の自動運転・ADAS

マツダのi-ACTIVSENSEでは、ステアリング連動や単眼カメラによる前方の画像認識技術を利用して、ヘッドランプの高精度の光源制御を導入。車速やステアリング操作に応じて、ランプの照射向きを変更し、夜間でのコーナリング中のドライバーへの視認性を高めて、安全運転を支援。

- カメラにより先行車と対向車を認識して、ハイビーム制御を行うシステムを展開するほか、最新仕様のi-ACTIVSENSEでは、画像認識と合わせて左右11ブロックのLED光源を独立して制御するアダプティブLEDヘッドライトシステムを搭載。先行車と対向車をピンポイントで遮光。また左右ワイド照射にも対応。

40km/h以上の走行で先行車と対向車の部分遮光を行い他車への眩惑を低減しながら、ハイビームによる夜間視認性を確保、40km/h以下では左右ワイドに照射し、交差点での視認性を確保。95km/h以上の高速域では先行車や対向車を遮光しながら遠方の照射を行うことで夜間での高速走行での視認性を向上。

マツダi-ACTIVSENSEの最新仕様ではドライバーの疲労を検知するドライバーアテンションアラートを搭載。65km/hで作動し、疲労前のドライバーの運転と車両の動きを学習し、運転状況が学習したデータと大きく異なる場合に、音声と表示によりドライバーに休憩を促す。

マツダ、アクティブLEDヘッドランプのイメージ図

スズキ 

▽自動運転・ADASへの取り組み

スズキは提携パートナーであるトヨタと連携しながら、自動車の安全技術における開発体制強化を検討している。

スズキは2017年以降、単眼カメラとレーザーレーダーを組み合わせたデュアルセンサーブレーキサポートの搭載車種拡大を推進。

- これまで車種に応じてレーザーレーダーを用いたレーダーブレーキサポートシステムや、ステレオカメラを用いたデュアルカメラブレーキサポートを展開していたが、主力モデルの全面改良や新規投入を機に切り換えを実施している。軽乗用車から登録車まで幅広く設定している。

▽アダプティブクルーズコントロール(ACC)

スズキのACCは、デュアルセンサーブレーキサポートのシステムにミリ波レーダーを追加。ミリ波レーダーよる先行車との距離を検知して追従走行を行う。40~100km/hの範囲で作動。車間距離を3段階で変更することが可能である。

▽車線逸脱警報/車線維持支援(LDW/LKA)

単眼カメラで車線を認識して、60~100km/hの範囲で進路変更以外で車線逸脱を検知した場合、音声や表示でドライバーに通知。新型Swift Sportでは車線逸脱警報に加えて、ステアリング操作支援による車線逸脱防止システムを設定し、安全性を高めた(作動速度域は65~100km/h)。

▽自動緊急ブレーキ(AEB)

デュアルセンサーブレーキサポートでは、夜間や短距離検知に優れたレーザーレーダーと中長距離や物体検知に優れた単眼カメラを用いて、先行車と歩行者を認識し、衝突の危険を検知した場合、音声警告やブレーキ制御などで衝突回避を支援。

- 5~100km/hの範囲で作動。3段階でドライバー警告。

:15~100km/h(歩行者は15~60km/h)の範囲で、衝突の危険を検知すると音声と表示で警告

:15~80km/h(歩行者は15~60km/h)の範囲で、衝突の可能性が高いとシステムが判断した場合は、表示と音声での警告とブレーキアシストを作動させてブレーキ操作時の制動力を確保。

:5~100km/h(歩行者は5~60km/h)の範囲で衝突が避けられないとシステムが判断した場合は警告と自動ブレーキで被害を軽減する。車速が50km/h未満(歩行者は30km/h未満)の場合は、衝突を回避できる可能性がある。

▽その他の自動運転・ADAS

単眼カメラで先行車と対向車を認識し、30km/h以上の速度域でハイビームの自動切り換え機能を設定。

ダイハツ

▽自動運転・ADASへの取り組み

ダイハツは自社の新車両設計構想Daihatsu New Global Architecture(DNGA)において2018年以降、運転支援システムであるスマートアシストIIIの性能・機能を進化に向けた研究開発を推進している。スマートアシストの進化を通じて、ダイハツの強みである小型車での将来的な運転支援システムを開発する。

ダイハツはスマートアシストの進化を進めると共に、最新仕様のスマートアシストIIIの搭載モデル拡充を推進。先進技術をみんなのものにをキーワードに、主力の乗用車だけでなく、軽商用車にも展開するとともに、海外にも積極的に展開。2017年11月にマレーシアPeroduaの新型Myviにも設定。

▽車線逸脱警報/車線維持支援(LDW/LKA)

ダイハツのスマートアシストIIIでは、車線逸脱警報を設定。ステレオカメラで車線を認識し、65km以上の車速域で車線変更以外に車線逸脱を検知した場合、音声や表示でドライバーへ警告。

▽自動緊急ブレーキ(AEB)

ダイハツのスマートアシストIIIでは、4~100km/hの車速域内で衝突回避を支援するブレーキ制御システムを設定。ステレオカメラにより先行車及び歩行者を昼夜で認識が可能。

- 自動ブレーキによる衝突回避支援において4段階で警告。

:4~100km/h(歩行者は4~50km/h)の速度域で、衝突の危険性をシステムが検知した場合、音声で警告。

:4~80km/h(歩行者は4~50km/h)の速度域で衝突の危険性が更に高まった場合。音声と表示よる警告に加えて、事前ブレーキとして軽いブレーキ操作を行う。

:30~80km/h(歩行者30~50km/h)の速度域で:事前ブレーキ中にドライバーがブレーキ操作を行った場合はブレーキアシストで制動力を高めて、衝突回避を支援。

:4~80km/h(歩行者は4~50km/h)の速度域で衝突が回避できないとシステムが判断した場合は、自動緊急ブレーキを作動させ衝突被害を軽減。

衝突回避支援システムより、対象との速度差が4~30km/hであり車両までの距離が60m(歩行者では30m)の場合、衝突を回避できる可能性がある。

▽その他の自動運転・ADAS

ステレオカメラで先行車と対向車を認識し、25km/h以上の速度域でハイビームの自動切り換え機能を設定。

スバル

▽自動運転・ADASへの取り組み

スバルはステレオカメラを活用した自社の運転支援システムEyeSightの性能や機能の強化に向けた開発を推進。EyeSightのステレオカメラによる画像認識の進化とともに、車両周辺センサーやGPSの位置情報を融合して自車周辺把握を高精度化して、2020年をめどに、高速道路の複数車線での自動運転技術の導入を目指す方針。

スバルは2016年に投入した新型Imprezaに搭載するEyeSightの最新仕様EyeSightツーリングアシストの搭載車種拡大を推進。全面改良や一部改良等を機に従来のVer3からの切り換えを実施。Ver3をベースにクルーズコントロールの作動速度域やステアリング操作支援機能を向上させた。

▽アダプティブクルーズコントロール(ACC)

EyeSightツーリングアシストでは、ステレオカメラで先行車を認識し、先行車の追従したACCを実施。全車速追従で停止までを自動で実施。

▽車線逸脱警報/車線維持支援(LDW/LKA)

EyeSightツーリングアシストでは、ステレオカメラで先行車と車線を認識、0~120km/の速度域でレーンキープを実施。ACCと組み合わせて、巡航速度中に車線中央をキープするようにステアリングの操作を支援するアクティブレーンキープを設定。

- 従来は60km/h以上で作動していたが、最新では0~120km/hとすることで加減速と操舵を支援して高速道路や幹線道路での巡航だけでなく渋滞時の運転操作負担も軽減。また追従時に白線が見えない場合でも先行車の動きを認識して走行ラインをトレースすることも可能。

▽自動緊急ブレーキ(AEB)

広角で認識が可能なステレオカメラにより、先行車だけでなく、歩行者や自転車も昼夜問わず認識が可能。衝突の危険性をシステムが検知すると警告を行い、それでもドライバーがブレーキ操作等の回避行動を行わない場合は、自動ブレーキを行うほか、VDCを利用してステアリング操作時の回答性を高め、ステアリングによる回避性能も高める。

- 先行車に対して相対速度50km/h(歩行者は35km/h)では、自動ブレーキで衝突を回避できる可能性がある。

▽その他の自動運転・ADAS

スバルはEyeSightのステレオカメラシステム以外に、ルームミラーの近辺に配置した単眼カメラで車外の光を検知して、先行車や対向車を認識し、40km/h以上の速度域で自動でハイビームの切り換え行う。一部オプションでは、ステアリング操作と連動して、フロントランプの光源の向きを変えるシステムも設定。

2018年市場投入の新型Foresterでは、カメラでドライバーを認識し、居眠りや脇見を検知するモニタリングシステムを導入した。

スバルEyeSightの車線認識イメージ

FOURIN世界自動車技術調査月報(FOURIN社転載許諾済み)

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