【動画で解説】自動車の電動化が進むも、機械設計の求人件数は右肩上がり│1月の自動車業界転職市場
2019.01.11自動車業界全体の求人件数は前月から1%減、前年同月比19%増
最新のオートモーティブ・ジョブズのデータによると、自動車業界全体の求人件数は前月比1%減、前年同月比19%増でした。
前月と比べて求人件数が増加したのは、「電気設計・回路設計」(2%増)、「機械設計・金型設計」(5%増)、「実験・評価・解析」(8%増)、「購買・調達」(8%増)の4職種。「組み込み・ソフトウェアエンジニア」「営業」は横ばいで、ほかの6職種の求人件数は減少しました。
現在も機械設計・金型設計のニーズは増加中 異業界からの転職事例も
今月は「機械設計・金型設計」の採用動向についてお話しします。
機械のメカニズムや構造を設計する機械設計や、製品を量産するための型を作る金型設計は、自動車業界の屋台骨と言える職種です。現在は電気・ソフト系エンジニアの活躍が注目されていますが、業界内で最も人数が必要なのは依然として機械系エンジニア。
自動車を試作するスピードの向上や生産台数の増加には、まだまだ機械設計・金型設計の人員増強が必要で、自動車の電動化が進んでも求人件数は右肩上がりです。
中途採用が活況だからこそ、多くの選択肢から自分に合った求人を選べる可能性が高まっています。仕事の幅を広げるために設計の請負会社からメーカーに転職したり、内燃機関の将来性に不安を感じてマニュアルトランスミッションの設計からEV用のパワートレインの設計に転職したりと、希望を叶えられた事例も多数。
業界未経験者の採用も積極的に行われており、特に産業用ロボットや精密機器の設計に携わっていた方や、家電やOA機器メーカーでモーターの設計をしていた方は、培ってきた技術力が生かせます。
機械設計・金型設計のエンジニアは、電気・ソフトの知識も身に付けておくとさらに市場価値が高まります。自動車の電動化が進んだことで、機械系エンジニアが統括するプロジェクトに電気・ソフトの知識が求められることも多くなりました。電気・ソフトの技術トレンドについて情報収集したり、図面を理解できるようになったりすることで、活躍の幅が広がり転職先の選択肢も増えていきます。
関寺 庸平
NHKや日本経済新聞に、自動車業界・製造業の転職市場についてコメントを提供している。前職では上場メーカーで技術営業をしていた。