【動画で解説】研究開発の採用動向 CASE関連の中途採用が進む│4月の自動車業界転職市場
2019.04.17自動車業界全体の求人件数は前月比10%増、前年同月比30%増
最新のオートモーティブ・ジョブズのデータによると、自動車業界全体の求人件数は前月比10%増、前年同月比30%増でした。
前月から10%以上求人件数が増加した職種は、「組み込み・ソフトウェアエンジニア」(12%増)、「生産技術」(11%増)、「研究開発」(35%増)、「マーケティング」(24%増)、「購買・調達」(15%増)の5つ。前年同月比では、ほとんどの職種で2桁アップしています。
【研究開発】EV・自動運転・コネクテッド関連の即戦力採用がメイン
今月は「研究開発」の採用動向についてお話しします。
研究開発は、新しい機能や部品の先行開発・設計・評価などを行う職種です。ものづくりの最先端を担う花形職種ですが、研究開発部門は設計部門や製造部門と比べて少人数で構成されている場合がほとんど。採用人数は少なめで、経験者の即戦力採用がメインとなっているのが実情です。今月は2019年度枠の中途採用が始まったため求人件数は前月比35%増ですが、採用ペースに変わりはありません。
現在募集がある求人は、CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)に関するものが中心です。具体的には、車両制御設計やビッグデータ解析、電動車向けモーターの基礎技術研究や車載電池の材料開発など。選考では専門技術の知識や経験が重視されるため、他業界出身者の採用も珍しくありません。最近は、研究機関で働いていた方の採用事例も増えています。産業機械の制御設計やモーター開発の経験は自動車に生かせますし、ビッグデータ関連では、業界を問わずAIやデータベース構築の経験がある方を募集しています。
メインは日系企業の求人ですが、最近は中国・韓国の自動車メーカーの求人も増えてきました。企業の選択肢が広がっているので、年齢や転職回数で気になる部分がある方は、実力を重視する社風の企業にチャレンジしてみるといいかもしれません。
研究開発は一度の募集で少人数しか採用しないことが多いため、枠が埋まりやすい職種です。自分に合った求人を見逃さないようにするには、定期的に求人をチェックすることと、早めに職務経歴書を作成しておくことが大切。早めに職務経歴書を作成しておくとアピールポイントが十分に練れますし、スムーズな応募にもつながります。
関寺 庸平
NHKや日本経済新聞に、自動車業界・製造業の転職市場についてコメントを提供している。前職では上場メーカーで技術営業をしていた。