英文履歴書の書き方

このページでは自動車業界に特化した、英文履歴書の書き方を紹介します。

I.英文履歴書を書くためのポイント

外資系の自動車関連企業に応募する場合、ほとんどの企業で必要となる英文履歴書(レジュメ、resume)。
英文履歴書は、自分という商品を企業に売り込むための宣伝広告となるものです。自分のこれまでの仕事内容や業績を明記し、企業の求める人材とマッチしていることを示します。
内容としては日本語の職務経歴書に近いので、すでに手元にある人は参照しながら英文履歴書を書くとよいでしょう。

ただし、日本語の書類とは異なるルールも多いもの。書く際に気をつけるべきポイントを以下にまとめました。
英語に苦手意識がある方でも、ポイントを抑えれば案外簡単に書くことができます。

結論から先に書き、職歴や学歴は新しい順に

英語が文法上「結論から述べる」形になっているように、英文履歴書でも大切なことから先に書いていきます。一番アピールしたいものから順番に並べていきましょう。同様に、職歴や学歴も新しいものが一番上にきます。

長くなりすぎないよう、箇条書きで要点を整理

英文履歴書では、要点を整理するために主語を省いた箇条書きを使い、伝えたいポイントをコンパクトにまとめることが大切です。あまり冗長に書いてしまうと、「まとめる能力がない方」と思われてしまいます。

パッと見で「刺さる」キーワードを盛り込む

英文履歴書を書くためには、まずは企業の募集要項をしっかりと読み、その職に求められる経験やスキルなどをしっかり理解しましょう。それに答えるキーワードを盛り込んでおくと、採用担当者の目を引く魅力的な英文履歴書になります。
たとえば顧客がどの会社だったのか、できれば具体的な社名を出しましょう。また、エンジニアのテクニカルスキルについては、使っていたツールや言語を必ず入れておきましょう。さらにISOに準拠して仕事をしていた場合は、その旨も記入しておくとよいでしょう。
キーワードがわからない場合は、コンサルタントに相談してみましょう。

英文履歴書のフォーマットはA4で2枚以内に収める

英文履歴書はPCで作成します。決まったフォーマットはないので自由に書いてよいのですが、わかりやすく作ることが鉄則です。
  • 紙はA4サイズ
  • 枚数は1枚、多くても2枚以内に収める
  • 本文のフォントはTime New Romanの10~12ptなど
  • 見出しはフォントサイズを上げたり、太字にしたりと目立たせる
  • モノクロで作成

英文履歴書の文法にも注意

英文履歴書は、普通の「I am~」とはじめるような文章ではなく、名詞句や動詞を使って書いていきます。それ以外にも文法で気をつけるべき点は以下の通り。
  • 冠詞(the, a/anなど)は省く
  • 一人称は使わない
  • 書き出しには名詞句や動詞を使う
  • 数字はアラビア数字で(×over three years → ○3+ years)
  • スペルミスには要注意

II.英文履歴書の見本と基本的な書き方

それでは、項目ごとに具体的な書き方を解説していきます。
左が完成した英文履歴書、右はその日本語訳です。日本語訳をパッと見ただけでも、日本語の履歴書や職務経歴書とはまとめ方が異なることがわかるのではないでしょうか。ひとつずつ見ていきましょう。

1 PERSONAL INFORMATION(氏名、連絡先)

自分の氏名、住所、電話番号、携帯電話番号、メールアドレスを記入します。氏名はこの英文履歴書のタイトルにあたるので、一番大きいフォントを使いましょう。

2 SUMMARY(職務要約)

自分のこれまでの経験やスキルを端的にまとめます。応募先で求められる具体的なスキルや、今後も生かせる経験などを重要なものから順に書いていきます。マネジメント経験やコミュニケーション能力、特筆すべき語学力があればここでも触れておきましょう。

3 WORK EXPERIENCE(職務経歴)

これまでの職務経歴を、新しいものから順番に並べていきます。在籍期間、会社名、役職、部署、担当した製品や顧客、主な業務、使用ツールを端的にまとめます。誰とどんな仕事をしていたのか、できるだけ具体的に書くことが鉄則です。
顧客名を出すことをためらう方もいるようですが、面接では必ず聞かれることなので書いてしまってかまいません。どうしても抵抗のある方は、完成車メーカーと部品メーカーのどちらと仕事をしていたのかだけでも明記しましょう。
また、在籍していた会社名には、主な事業内容と資本金、売上高、従業員数などを併記しておくのもオススメです。日本の会社名だけでは、応募先の企業の担当者に伝わらないことがあるからです。

一般に英文履歴書では、勤めていた企業の数が多い場合、応募する企業が求める経験と合致する重要な経歴のみ書くものだと言われています。しかし、外資系自動車関連企業に応募する場合はNG。日本語での職務経歴書とズレが出てしまい、相手が疑問に思う可能性がありますので、経歴はすべて書いておきましょう。
もし在籍していた会社の数がとても多く、応募先とまったく関係のない職歴も含まれている場合は、WORK EXPERIENCEの最後に年数と会社名、簡単な仕事内容のみまとめておくと良いでしょう。

4 EDUCATION(学歴)

基本的には大学以降の学歴で、卒業年度、大学名、学位を書きます。ただし、仕事内容と関係のある高等専門学校や短期大学(college)、専門学校などで学んだ場合は学歴に入れておきましょう。

5 CERTIFICATION & SKILLS(資格・スキル)

仕事に関係する資格やスキルを、取得年とともに正式名称で書きます。特に業務上CADなどを使ってきた場合は、ここでまとめておくと親切です。
また、盲点になりがちですがパソコンスキルとしてPowerPointが使えることを盛り込んでおくのも効果的です。顧客先や社内でのプレゼン資料を自分で作れる、そういったことに慣れているとアピールできます。

6 LANGUAGE(語学)

外資系企業に応募する場合はぜひ入れておきたい項目です。TOEICの点数や取得している検定だけでなく、現在の自分の語学レベルがどの程度なのかを説明しましょう。「英語で会議に参加できる」「英語で商談や折衝ができる」など、可能なかぎり具体的にしておくと親切です。

その他、入れてもいい項目

その他にも、英文履歴書には入れたほうがいいのか、入れなくてもいいのか判断がつかない項目もあるでしょう。それらについて以下で説明していきます。

希望職種(OBJECTIVE)について

希望職種は書かなくてかまいません。どうしてもやりたいポジションがあり、それ以外は考えていないほどの場合は、(1)と(2)の間に中央揃えで入れてもよいでしょう。

配偶者や子供の有無について

一般に、年齢、性別、顔写真、家族構成、健康状態、過去の給与などのパーソナルデータや、退職理由、志望動機などは、英文履歴書には入れない決まりになっています。ただし、配偶者や子供の有無については、担当者に求められたら記入するようにしましょう。

レファレンス(REFERENCE)について

企業によってはレファレンスのための第三者の連絡先を求める場合がありますが、英文履歴書にあらかじめ書いておく必要はありません。
レファレンスとは、採用前に応募者のスキルや経験について企業が問い合わせることを言います。問い合わせ先は主に職場の上司や仲の良い顧客など、応募者の仕事ぶりを知っている方で、必要な場合は応募者から事前にお願いしておく必要があります。

III.さらに良い英文履歴書を書くために

外資系自動車関連企業に転職するため、さらによい英文履歴書を書くためにはいくつかのポイントがあります。
読んでみても自分の経歴で書けることが思いつかない場合は、コンサルタントに相談してみるのもよいでしょう。

具体的な数字を盛り込む

日本語の履歴書や職務経歴書と同様に、できるだけ業績を具体的にするためには数字を盛り込むことが有効です。
たとえば営業であれば売り上げ、購買であればどれだけコストダウンできたか、生産技術であれば不具合品を何%減らせたかなどが書けるとよいでしょう。エンジニアの方はなかなか数字を出すことが難しいかもしれませんが、たとえばどれだけ大きなプロジェクトに関わったかを金額の規模で表現してみてもよいでしょう。

コミュニケーション能力をアピール

エンジニアとして外資系自動車関連企業に転職するにあたっては、顧客先に自分で行っていたかどうか重要になってきます。たとえば外資系自動車部品メーカーは国内に工場を持っていないことが多いので、開発設計のようなエンジニアのポジションであっても、必然的に社外との打ち合わせが多くなります。
そこで生きてくるのが、前職でも顧客との打ち合わせに参加していたという経験。コミュニケーション能力のアピールのためにはぜひ入れておきましょう。

【コラム】英文履歴書が必要になる場面とは?

英文履歴書は、応募の際に必要になる場合もあれば、選考が進んでから提出を求められる場合もあります。企業が英文履歴書を求める際には、おおまかに分けると以下の3つの用途があります。

  1. 選考にあたって、英語力を確認するため(一定のレベルの英語力が必要な仕事)
  2. 外国人の面接官が経歴を確認するため
  3. 外資系企業で、本国の本社に新規採用者として申請するため(書類選考通過後、面接の過程で求められる場合も)

(1)(2)の場合は英語力が試される一方、(3)の場合は形式上の書類としてありさえすればいいという場合もあります。ただし、どのパターンであってもここまでで説明してきた書き方でまとめられていればOK。難しく考えすぎずに、まずはチャレンジしてみましょう。

今すぐに使える 、自動車業界向けの英文履歴書テンプレートをご用意しました。
  • 英文履歴書のテンプレートをダウンロードする