複雑化する自動車業界の救世主に！？コンサルティング会社が自動車エンジニアを採用する理由

2018.11.07

転職では、エンジニアはエンジニアに、営業は営業に…というように、同じ職種を選ぶのが基本。しかし、自動車業界のエンジニアには、この法則から外れた選択肢が生まれている。それは、コンサルティング会社のコンサルタントに転職するパターンだ。

コンサルティング会社がエンジニアを積極採用中

コンサルティング会社がエンジニアを採用する動きが活発化している。

企業の事業戦略や商品戦略の立案と実現に携わったり、業務フローの改善や新技術の導入を支援したりするのがコンサルタントの仕事。人とのコミュニケーションが欠かせないため、黙々とものづくりに励むエンジニアとはかけ離れた職種のように思える。

だが、コンサルティング会社が実際に中途採用しているのは、コンサルタント経験者よりも事業会社で働いていた人の方が多い。これは、開発や製造といった現場で培った知識や経験を重視しているからだ。なかには、年間数百名ものエンジニアを採用しているコンサルティング会社もある。

複雑化する自動車業界…コンサルタントのニーズが高まっている

特にコンサルティング会社が欲しがっているのは、自動車業界のエンジニアだ。

現在、自動車業界にはソニーやパナソニックをはじめとする電機メーカーや、ウーバーやグラブなどのサービス企業、アップルやグーグルといったIT大手など、あらゆる企業が参入してきている。

電子制御が必要な部品の開発やカーシェアサービスなどは、新しく参入してきた企業の方が強みを持っていることが多い。自動車メーカーにとって、新規技術をどう取り込んでいくかが将来の成長を大きく左右する状況となっており、外部提携の重要性は増している。

10月4日には、トヨタ自動車とソフトバンクがモビリティーサービスの新会社「MONET Technologies」を設立するとの会見を行った。その前日にはホンダがゼネラル・モーターズ（GM）の子会社「GMクルーズ」と自動運転分野で提携すると発表。ルノー・日産自動車・三菱自動車連合は、グーグルとコネクテッドカーのシステムに関する技術提携を結んでいる。

ほかの業界から参入してきた企業との提携は、これまでにあった自動車業界内の提携と比べて高度な見識が必要なため、コンサルティング会社にサポートを求める自動車メーカーが増加している。自動車メーカーからのニーズに応えるために、コンサルティング会社は自動車業界のエンジニアを積極的に採用しているのだ。