【Renault/日産/三菱自】アライアンス戦略まとめ~部品共通化・電動化・自動運転~

2018.12.18
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Renault/日産は、2016年に資本提携した三菱自を含む3社でのシナジー創出に向け、中期計画アライアンス2022を2017年9月に発表した。

3社は、プラットフォームやパワートレイン等の共通化によるスケールメリットを高めてコスト競争力の強化を目指している。電動車や自動運転技術搭載車両のラインアップ拡充を通じて、グループ全体での環境負荷低減や安全性向上を図ることで、ブランド力強化や事業規模の拡大につなげる方針である。

プラットフォーム

3社は車両設計の効率化や、コスト競争力強化を目指し、2022年までに4つの共通プラットフォームを採用し、それらで900万台の生産に対応する体制を整備する計画である。日本の軽自動車をはじめ、複数セグメントに対応するEV専用プラットフォームや、Bセグメント専用プラットフォームを設定。

またRenault/日産が導入するプラットフォーム構想CMF(Common Module Family)を2019年以降、三菱自の車両にも導入することで、設計の共通化による開発費用の削減や、量産によるスケールメリットの拡大を狙っている。

電動化技術

Renault/日産/三菱自は、電動車領域でのリーダー的地位を強固にするため、各社で電動車開発に注力している。

日産はLeafを中心にEVの技術開発に重点を置いている。EVシステムの開発では、インバーターやパワーデリバリーモジュール、駆動モーター等を統合する機電一体システムを初代Leafの後期型で導入。2017年に投入した2代目Leafにもその設計コンセプトを継承した。機電一体による高圧ワイヤーハーネスの削減によりシステム全体でコンパクト化が可能となる。

また2代目Leafでは電池容量を10kWh増の40kWhに拡大。さらに回生機能を強化したワンペダルシステム(e-Pedal)を導入してJC08モードで400kmの航続距離を実現した。加えて日産は、EVの欠点である航続距離を解決する手段として、シリーズハイブリッドシステムe-POWERを開発し、2018年までにNOTEやSerenaに投入。

今後、搭載車種の拡大を進めている。エンジンを駆動用リチウムイオンバッテリーに充電する発電機として使用し、駆動はEVのシステムを流用。全運転領域をモーターで行い、EVの走り良さを訴求。エンジンでの発電により航続距離を伸ばしてEVの競争力強化を図った。

Renaultは、独自のEVモデルZOEを市場に展開。さらに2017年には欧州で需要拡大が進むマイルドハイブリッド(MHEV)を市場投入した。MHEVシステムはContinental製のP0システムを採用。モーター変更のみで幅広いセグメントに対応できるモジュール設計を導入し、2018年以降に搭載車種を拡大する計画である。

三菱自はOutlanderに搭載するPHEVを展開し、欧州で最量販PHEVとしての地位を確保。三菱自のPHEVは前後駆動モーター配置の4WDであり、駆動は主にモーターが担い、高い環境性能と駆動力を実現。またエンジンは駆動用バッテリーの充電に使用するが、クラッチによりエンジンも駆動に使用することが可能であり、航続距離で優位である。

こうした中Renault/日産は、2022年までに三菱自のシステムを活用したPHEVを投入する方針で電動車ラインアップを拡充し、各国の規制に柔軟に対応。さらに顧客層の拡大も狙っている。

また今後3社の電動車開発において、EVモーターやバッテリーなどのコア部品の共通化を図る方針で、部品調達のスケールメリットを高めてコスト削減を図り、電動車の普及につなげる考えである。

ADAS・自動運転

Renault/日産/三菱自は、2022年までに3社で異なるレベルの自動運転技術を40車種投入することを目標に、開発を推進。Renaultは2022年までに15車種で自動運転技術を導入することを目標に掲げ、Espaceベースの試験車両を用いて実証実験を実施している。

また2019年の稼働を目指し、自動運転シミュレータの建設を進めており、開発のスピードアップを図っている。日産は2016年に導入した単眼カメラによる単一車線自動運転技術ProPILOTの搭載車種拡大を推進。2018年までにSerena、Leaf、X-TRAIL、Infiniti QX50に搭載。

今後、主力車の全面改良を機に搭載を進める。また並行してProPILOTの運転支援範囲についても、将来的に高速道路の複数車線や一般道まで広げる方針である。

また3社は開発強化を目指し、共同でスタートアップを支援する投資ファンド、Alliance Venturesを設立。自動運転やコネクテッド、電動車分野での有望企業への投資を通じて、新技術を取り込み、グループ全体で商品のさらなる競争力強化を狙う。

Renault/日産/三菱自アライアンスの主な技術戦略概要

全体概要

Renault/日産/三菱自の中期計画アライアンス2022において、2022年までにアライアンス3社で年間100億ユーロのシナジー創出、1,400万台販売、売上高2,400億ドルの実現を目指す。

目標達成に向けて、技術分野では、プラットフォームやパワートレインの共通化によるスケールメリットの拡大、電動車のラインアップの拡充、自動運転技術の搭載車拡大と自動運転技術を活用した新たなモビリティサービス事業への参入を図る。

プラットフォーム・パワートレイン戦略

プラットフォームでは、2022年までに、Renault/日産/三菱自の3社で4つの共通プラットフォームを利用する。4つの共通プラットフォームで900万台以上の生産に対応し、スケールメリットの創出を目指す。

Renault/日産のプラットフォーム設計構想CMF(Common Module Family)をベースとした共通プラットフォームの採用を拡大。新たに三菱自の車両設計についてもCMFを導入する。CMFはRenaultのESPACEやMègane、日産のX-TRAILやRogue等で導入、今後日産のDatsunブランドや三菱自で導入を拡大する計画。

その他の共通プラットフォームとしては、日本市場の軽自動車用に加えて、新たに共通Bセグメント(日産NOTEやMICRA、三菱自のMirage等)専用、EV専用の共通プラットフォームを設定する。EV専用プラットフォームは複数のセグメントに展開可能な設計を導入し、2022年までに、3社のEVの約7割を共通プラットフォームとする計画。

Renault/日産と三菱自で、電動車をはじめパワートレインの共通化を進める。全体の75%に共通パワートレインを使用する。三菱自ではCMFの採用と並行して2020年までにRenault/日産と共通パワートレインを導入。

EV専用のプラットフォーム導入と並び、共通のモーターやバッテリー、部品を採用し、2022年までに12車種のゼロ・エミッションEVを市場投入する計画。

PHEVについては、C/Dセグメントを中心に展開、三菱自が中心となって開発を行い、Renault/日産にも共有する方針。

自動運転戦略

2022年までに、Renault/日産/三菱自の3社は異なるレベルの自動運転技術を40車種に搭載する方針。2018年内に高速道路での自動運転技術を導入し、順次その適用範囲を拡大する。各社の主力モデルを中心に自動運転技術を搭載する方針。

日産の技術スローガンNissan Intelligent Mobilityの下、無人車両や電動車両を用いて、配車サービスなどのモビリティ事業への参入を目標に掲げる。無人運転車による配車サービスの展開に向けてパートナーシップの拡大に注力するほか、公共交通やシェアリング向けの車両供給にも注力する。

コネクテッド戦略

3社で共通の車載インフォテイメントシステムやコネクテッドシステムの開発を推進。

全データのインターフェイスを担うクラウドを立ち上げて、無人運転車両によるサービスなどでゲートウェイを提供。

Renault/日産/三菱自、最近の主な電動化技術戦略

電動車戦略概要

▽2022年までのEV性能・コスト目標

ユーザーの利便性向上を目指し、EVにおける航続距離をNEDCモードで600kmを実現する。2018年現在、日産Leafが378km(NEDCモード)。

EVの普及に向けたコストダウンを目指し、バッテリーコストを2016年比で30%削減を目標として掲げる。

15分の急速充電で走行可能な距離を従来の90kmから230km(NEDC)に延長する。フラットなバッテリーパックを開発し、室内空間の拡大を図る。

EVの搭載車種の拡大を狙う考えで、乗用車だけに留まらず、商用車や日本の軽自動車でも展開する方針。

EV技術

▽日産:EV

日産は、2010年に日本国内で初の量産登録車EVであるLeafを投入し、Leafを中心にEVの開発・世界展開を進めている。

日産のEVシステムは、2012年末に実施したマイナーチェンジで大幅に改良された。マイナーチェンジした後期型のLeafでは、DC/DCコンバーターとチャージャー、制御ユニットを内蔵するPDM(Power Delivery Module)に、インバーター、モーター、減速機を統合した機電一体システムを採用。機電一体化により、高圧ハーネスの搭載量を削減することで、システム全体をコンパクト化。

日産が2017年秋に全面改良した新型Leafでも機電一体のシステムコンセプトを継承。新型Leafでは、システムの基本構造を先代のマイナーチェンジモデルと同様の形式とした。

駆動モーターの最大出力を先代比38%増の110kW、最大トルクを同26%増の320N・mとすることで加速性能を高め、EVの走りの良さをユーザーに訴求。

駆動用リチウムイオン電池の容量を先代の30kWhから40kWhに増大。エネルギー密度を高めた(先代前期型比で67%向上)ラミネート型リチウムイオン電池セルを搭載。先代モデルと同等の電池搭載スペースでありながら、搭載電池容量の拡大を実現した。

モーターによる回生機能強化を目的に、1ペダルで加減速を調整できるe-Pedalを導入。減速時の回生ブレーキの作動範囲を拡大し、エネルギー回生量を拡大することで、電池容量の拡大と合わせて航続距離の延長に貢献。

新型Leafの航続距離は先代の280km(JC08モード)から400kmに延長した。日産は2019年以降に、航続距離を更に拡大した60kWh仕様の改良モデルを投入する方針で、電池調達先の変更や電池冷却性能を向上させたシステムを導入するとみられる。

日産は、EVのシステムをLeafだけに留まらず、商用車にも展開。2018年時点で小型商用バンe-NV200を展開している。

新型Leafの透視図と駆動システムとバッテリーの電源接続を説明する図

▽Renault:EV

Renaultは2018年現在で、EV主力モデルとしてZOEを展開。日産と別のシステムとして開発を推進。LG製の41kWhのリチウムイオン電池を搭載。

2018年にマイナーチェンジを実施。駆動モーターに従来のR90型から出力を109HPに高めたR110型仕様を追加(最大トルクは従来と変更無しで23kgf・m)で出力特性を強化。

Renaultも日産と同様に、EVのラインアップ拡大を推進しており、ZOEだけに留まらず、Renault SamsungのSM3 ZEや小型商用車Kangoo ZE、超小型モビリティTwizyまで幅広く展開する。

HEV

▽日産:e-POWER

日産は、EVの開発を強化する方針の下、EVにおける航続距離の問題を解決する方策の一つとして、EV技術を応用したシリーズハイブリッドシステムe-POWERを開発し、搭載車種拡大を推進。2016年11月に、BセグメントハッチバックNOTEのマイナーチェンジに合わせて、新たにe-POWERを設定。

2018年には1BOXミニバンSerenaにも搭載し、今後主力モデルの全面改良等を機にe-POWER仕様を設定し、搭載モデルの拡大を図る方針である。

駆動システムについては、LeafなどEVの駆動システムを流用。全域でモーターが駆動を担うため、EVの走りの良さを継承する。モーターは最高出力70kWSerenaでは100kW)、最大トルク254Nm(同320Nm)。

エンジンは駆動用バッテリーへ充電するための発電機として活用。効率の良い回転領域で作動させることで、燃費性能も高く、環境面にも配慮している。

発電用エンジンは小型の1.2ℓ直列3気筒自然吸気エンジンを採用することで、コンベ車のエンジンコンパートメントスペースにエンジンと電動システムの収納を可能とした。

バッテリーについては、エンジンによる充電を考慮し1.5kWhSerenaでは1.8kWh)のコンパクトなリチウムイオン電池パックを採用し、搭載自由度を確保した。

日産e-POWERシステムのカットモデルの特徴を説明した図

PHEV

▽PHEV戦略

PHEVについては、アライアンス内でPHEVの技術開発で先行する三菱自が中心となって開発を推進。三菱自が開発する新システムを日産やRenaultでも展開する方針。三菱自のOutlanderを筆頭に、3社でC~Dセグメントを対象にPHEVを展開する。

▽三菱自:PHEVシステム

三菱自は2018年9月時点で、2モーターの4WD駆動PHEVシステムをOutlanderに搭載して、日本や欧州市場に投入。

フロントとリアに駆動モーターを1基搭載し、4WDによる高い走破性と、前後モーターの駆動力配分を制御して、コーナリング時のハンドリングの向上を図っている。駆動用リチウムイオンバッテリーについては、キャビン下に配置して低重心化を図ることで走行安定性の向上に貢献している。

通常走行時はモーターのみで駆動。PHEVのエンジンは通常走行時に発電機(ジェネレーター)に接続して駆動用バッテリーの充電を行う。バッテリー残量や、急加速時にはクラッチを接続して駆動輪にエンジンの動力を伝達する。

2018年8月には、Outlander PHEVのマイナーチェンジを実施し、エンジンやモーター、バッテリーを改良。バッテリー容量を従来の12.0kWhから13.8kWhに拡大。またジェネレーターの出力も10%向上させたことでEVモードでの航続距離を60.8km(JC08モード)から65km(同)に延長(WLTCモードでは57.6km)した。

駆動モーターの動力性能は、先代では前後で最高出力60kWのモーターを搭載していたが、マイナーチェンジによりフロント60kW、リア70kWに変更し、走行性能の向上につなげた。

エンジンについては、排気量を2.0ℓから2.4ℓに拡大。バルブ制御によるアトキンソンサイクルを用いてポンピングロスを低減して効率化。より効率の良い回転域での発電を実現する。

三菱自は2019年以降に、Outlanderの全面改良を行うとみられており、次期モデルについても、前後モーター配置の2モーター式PHEVシステムを踏襲するとみられる。

2022年までに、三菱自のPHEVを日産やRenaultと共有する方針で、日産ではX-TRAILにPHEVを搭載する可能性がある。 

三菱自、Outlander PHEVのシステム透視図

MHEV

▽Renaultの48V MHEV

Renaultは欧州を中心に需要が見込める48VのマイルドHEV(MHEV)モデルを投入。

Renaultが採用するContinental製の48V MHEVシステムの図

2017年夏にグループ初の48V MHEVモデルとして、Scénic Hybrid Assistを発売した。1.5ℓ直4ディーゼルエンジン(dCi 110)に、最高出力10kWのContinental製の水冷式ベルトドライブスタータージェネレーターをエンジン前方(P0位置)に追加。出力6kW、トルク60N・mのモーターでアシストを行う。

Renaultは2018年以降、MéganeやClioなどの主力車種を中心にHybrid Assistの搭載車を拡大する方針である。

Renaultが使用しているContinentalの48Vシステムは、モーター駆動システムの背面にインバーターが統合されている機電一体構造となっている。またモーターの大きさを変えることで出力を容易に変えられるモジュール構造となっており、搭載車種の拡大に対応しやすい構造となっている。

日産/三菱自、最近の主な内燃機関開発動向

▽エンジン開発

日産はEVを始めとした電動車の開発に注力する一方で、引き続きエンジンのラインアップを継続する。

シリーズハイブリッドシステムe-POWERにおける発電用エンジンとして、EVの航続距離延長に向けたシステムで搭載を継続する見通しである。駆動用エンジンについても可変圧縮比のターボエンジンを開発。燃費と出力性能の両立に主眼を置いている。

▽日産VCターボ

日産は2016年に可変圧縮比エンジンVCターボエンジンを世界初公開し、2017年にInfiniti QX50に世界で初めて搭載した。マルチリンク式の可変圧縮比システムを搭載したターボチャージャーガソリンエンジンを採用。

クランクシャフトのクランクピンの位置にリンクを追加、ピストンの上死点の位置をシームレスに変更することが可能。

運転状況に応じて圧縮比を8:1から14:1までの範囲で自在に変更することが可能。

可変圧縮比により、ノッキングなどのリスクが大きい高負荷領域で圧縮比を下げる一方で、低負荷時には圧縮比を上げることで燃費を改善することが可能。

日産では2.0ℓ直列4気筒ターボエンジンに設定し、最高出力200kW、最大トルク390N・mを実現。6気筒エンジンと同等の動力特性を発揮する一方で、他の6気筒エンジンよりも高効率化を実現する。VCターボは振動面でも優位性がある。

日産は可変圧縮比の技術を、e-POWERの発電エンジンにも利用することを検討している模様。より狭いエンジン回転域で発電効率を高める手段として検討している。

▽三菱自ダウンサイズターボ

三菱自は、2017年秋に投入したクロスオーバーモデルEclipse Crossに1.5ℓのダウンサイズガソリンエンジンを搭載した。2.0ℓや2.4ℓのダウンサイズとして搭載。

インジェクターは、ポート噴射と直噴の2方式噴射を細かく制御することで、燃焼の効率化と排出ガスのクリーン化に貢献。

ストレートな吸気ポートを導入し、筒内での高タンブル化を実現。ロングストローク化(ボア×ストローク:75×84.8)や緻密な燃料噴射と合わせて空気と燃料の混合を促進して、燃焼の効率化を図った。

小型のターボを採用してイナーシャを低減した。加えて電動ウェイストゲートによる過給制御や、排気マニホールド内蔵のシリンダーヘッドの採用、給排気でのVVT(MIVEC)導入も合わせて、過給による出力向上とアクセル操作に対するレスポンスの向上を重視した。 

Renault/日産/三菱自、ADAS・自動運転技術戦略

▽全体方針

2022年までにRenault/日産/三菱自の主力モデルを中心に異なるレベルの自動運転技術を40車種に導入し、アライアンス全体での車両の安全性向上を図る方針。

Renaultは2022年までに、15モデルに自動運転技術を導入する方針。2020年にはレベル2を実用化、高速道路での自動運転技術の導入を目指す。2020年以降はレベル4の実用化を目指す。また2022年までに主要市場に投入する全モデルをコネクテッド化する。

日産では、2016年に国内市場に投入した新型Serenaで採用した、単一車線自動運転技術ProPILOTの搭載車種拡大を推進。高速道路での自動運転技術の導入を皮切りに、運転支援の適用範囲を拡大。

三菱自は自社の運転支援システムe-Assistの搭載車種拡大を推進。また自動運転ではコンセプトカーにAIを搭載し、周辺センサーで交通情報を把握してドライバーの安全運転を支援する技術や、AIによるドライバーへのコーチング技術を提案している。

▽Renault:主な自動運転開発動向

RenaultはミニバンEspaceをベースに自動運転の試験車両を開発し、公道での自動運転実証実験を実施。Hands off、Eyes offの自律走行モードとして、ドライバーの同乗の下で実験を実施。

車両周辺認識として、フロントカメラをはじめ、LiDARを3基、(フロント2、リア1)、車両の各コーナーに中距離レーダーを配置(計4基)、車両周辺の短距離用の超音波センサーを22個、カメラ4基による全方位画像認識などを導入し、システムが車両周辺状況を監視しながら自律走行を行う。

2017年9月にRenault Technical Centerに2,500万ユーロを投じて自動運転車両のシミュレーション設備の建設を開始。2019年の稼働を目指している。

2018年秋のHannover商用車ショーでは、物流におけるラストワンマイルの自動運転EVコンセプトEZ-PROを公開。

▽日産:ProPILOTの導入

日産は単眼カメラによる画像認識を用いた単一車線自動運転技術ProPILOTの搭載車種拡大に取り組んでおり、2018年秋までに、Serenaをはじめ、LeafやX-TRAIL、Infiniti QX50に設定。2018年以降順次、搭載モデルを拡大する方針。

ProPILOTでは、MobileyeのEyeQ3の画像認識プロセッサーを搭載した単眼カメラで、先行車や車線、割り込み車両等を認識。先行車追従の加減速と車線認識による自動操舵支援により渋滞時の運転を支援。

カメラで先行車や車線の情報を認識し、日立製のADAS EUCを通じて、加減速や操舵を制御する。

日産SerenaのProPILOTのシステム構成部品を説明する図

また新型Leafでは、4基のカメラによる全方位モニターや12個のソナーによる車両周辺認識を活用し、駐車を支援するProPILOTパーキングを設定。

▽日産:自動運転を活用したモビリティサービス

日産は2018年3月、IT企業のDeNAと連携して、自動運転技術を活用した無人によるモビリティサービスの実証実験を実施。

初代Leafをベースにカメラやレーザーセンサー、レーダーを搭載して、車両全方位の状況を検知する。遠隔監視により、非常事態にも対応することで安全性を確保。スマートフォンなどと連携して、配車予約などのサービスを提供。

▽3社アライアンス:オープンイノベーションの強化

Renault/日産/三菱自の3社は2018年1月、自動運転やコネクテッド、電動車分野でのオープンイノベーションによる開発強化を目的とした投資ファンドAlliance Venturesを設立。

対象分野での新興企業に対し、最大2億ドルを投じる予定で、投資による支援を通じて、新技術や新ビジネスの取り込みを狙う。

FOURIN世界自動車技術調査月報
(FOURIN社転載許諾済み)

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