<Continental>自動車業界の未来を見据えた自動運転の開発動向と組織体制の確立
2019.08.19Continental、2018年業績および2019年業績見通し
Continentalの2018年業績は、売上高が約444億ユーロ(前年は440.1億ユーロ)と増収となったものの、営業利益(調整後EBIT)は約41億ユーロ(同47.5億ユーロ)と減益となった。足元の欧州でWLTP導入の影響から自動車市場が低調であったことなどが影響した。
2018年通年業績(2019年1月発表の速報)
・売上高は約444億ユーロ(前年実績は440.1億ユーロ)
第4四半期に自動車市場の縮小がマイナスの影響を及ぼしたが、冬用タイヤ販売や非自動車事業は好調であった模様。
・調整後EBIT(Adjusted EBIT)は約41億ユーロ(同47.5億ユーロ)
・調整後EBIT率は9.2%
・フリーキャッシュフローは約18億ユーロ(同17.5億ユーロ)
2018年第1~3四半期グループ別部門別業績
・Automotive Groupの売上高は前年同期比2.2%増の202.0億ユーロ、EBITは同5.6%減の14.5億ユーロ。
・Chassis & Safety部門の売上高は同0.4%減の72.1億ユーロ、EBITは同12.7%減の5.8億ユーロ。
・Interior部門の売上高は同6.0%増の72.9億ユーロ、EBITは同34.6%増の7.4億ユーロ。
・Powertrain部門の売上高は同1.1%増の58.2億ユーロ、EBITは同60.9%減の1.2億ユーロ。
・Rubber Groupの売上高は同0.1%増の130.1億ユーロ、EBITは同12.2%減の16.4億ユーロ。
2019年業績見通し
売上高:450億~470億ユーロ
調整後EBIT率:8~9%
Continentalは、2018年7月に大幅な組織再編を行うと発表。Continental AGの下にAutomotive Group(Chassis & Safety部門、Interior部門、Powertrain部門)とRubber Group(Tires部門、ContiTech部門)を置く体制を敷いてきたが、2020年までに持ち株会社のContinental Groupの下にContinental Powertrain(旧・Powertrain部門)、Continental Automotive(現行のChassis & Safety部門とInterior部門)、Continental Rubber(現行のRubber Group)の3つの事業会社を有する体制とする。
自動車産業が変革期にある中で、独立会社化により意思決定を迅速化する考えである。
特に、他部門に先駆けて2019年1月に分社化したContinental Powertrainでは、バッテリー価格が想定より下がらないことなどを背景に電動車市場がどの時点でどの程度拡大するのか予測が極めて困難な状況の中で、市場動向に柔軟に対応する狙いがある。
2023年に売上高300億ユーロを目指すContinental Automotive(2017年のChassis & Safety部門とInterior部門の売上高合計は190.7億ユーロ)では、他社の技術を活用しながらコネクテッドや自動運転/ADAS向けシステムの開発強化を進めている。
2018年9月にドイツKnorr-Bremseと商用車向け高度自動運転システムの開発で提携。当面、自動隊列走行の実現を目指しており、2019年初旬に3台のトラックでデモ走行を行う。2018年10月には車載アンテナを手掛けるドイツKathrein Automotiveを買収すると発表。2019年第1四半期中に買収手続きを完了予定である。
Continentalの2017年売上高に占めるアジア事業比率は22%であったが、2023年までに30%強に引き上げる計画である。同目標に向け、インドではPuneの内装部品工場とパワートレイン関連部品工場を2020年に稼働予定。
中国では、2018年8月に常熟(江蘇省)の3Dブロー成形部品工場を稼働したほか、2019年第3四半期に蕪湖(安徽省)工場でパワートレイン関連部品を生産開始する計画である。
主な買収動向(2018年)
Cooper-Standardの防振システム部門
2018年11月、米国Cooper-Standard Automotiveの防振システム(anti-vibration systems)部門の買収で合意。買収額は2億6,550万ユーロ。
・各国の規制当局の承認を経て、2019年上期に買収手続き完了予定。買収後、ContiTech部門に組み込む。
・同部門の買収により、防振システムの軽量化など製品力強化を図る考え。
・Cooper-Standard Automotiveの防振システム部門は、エンジン/トランスミッションマウント、サスペンション部品に用いられるゴム製ブッシング(コントロールアーム等)、サブフレーム用マウント等を扱う。カナダ、フランス、インド、米国に生産拠点を5ヵ所有する。従業員数は約1,000人。
アンテナシステム会社
2018年10月、アンテナシステム会社のドイツKathreinの自動車関連子会社のKathrein Automotiveの買収を発表した。
・2019年第1四半期中に買収手続き完了予定。
・車載アンテナのリーディングカンパニーの買収により、コネクテッドモビリティにおいて技術的な鍵となる高性能インテリジェントアンテナの開発を進める。
・Kathrein Automotiveの従業員1,000人以上を引き受ける。
タイヤ販売のオーストラリアKTAS
2018年8月、タイヤ販売と自動車向けサービスを手掛けるオーストラリアKmart Tyre and Auto Service(KTAS)の買収を発表。
・買収額は3.5億オーストラリアドル。
・オーストラリアでのタイヤ販売事業強化が狙い。
・KTASはSydneyに本拠を置く。従業員数は1,200人。乗用車/小型商用車向けタイヤ販売と車両の検査/メンテナンスを主要事業とする。
ドイツOsramと照明合弁会社設立
2018年4月、ドイツOsramとランプ、ランプ制御技術、関連ソフトウェアの開発・製造・販売を手掛ける合弁会社の設立について契約書に署名。当局の承認を経て、同年7月に合弁会社を始動した。
・合弁会社の社名はOSRAM Continental。出資比率は各々50%。
・CEOはDirk Linzmeier(Osram出身)、CFOはHarald Renner(Continental出身)。
・2018年7月現在、本社はドイツMünchenに置くが、中期的にドイツGarchingに移転する計画。
・ContinentalはInterior部門のBody & SecurityビジネスユニットのLight Control事業を、Osramは自動車向けLEDなどを手掛けるSolid State Lighting(SSL) module事業部を合弁会社に移行。
・OSRAM Continental開発の製品は2021年に量産開始予定。半導体、エレクトロニクス、センサー、ソフトウェアを組み合わせ、高度かつ包括的なヘッドライト/テールライト/内装照明システムを開発する。例えば、ナビシステムやセンサーによるデータを活用し、道路情報に関する警告メッセージを周囲の車両に知らせるシステムなど。
・年間売上規模は5億ユーロ前後を想定。
・従業員数は約1,500人(OSRAM Continental始動時)。
中国の生産関連動向
2018年8月、常熟(江蘇省)の3Dブロー成形部品工場を開設した。
・投資額は、約1,000万ユーロ。
・高性能ターボチャージャー向けのホースを生産し、中国で生産する自動車メーカーに供給する。
・2018年第3四半期に量産を開始。
・Continentalの3Dブロー成形工場は、ドイツWaltershausen、米国Somersworth、メキシコSan Luis Potosiに続く4拠点目となる。
2018年4月、蕪湖(安徽省)の蕪湖経済技術開発区でパワートレイン部品工場の鍬入れ式を行った。
・初期投資額は約2,800万ユーロ。建屋面積は8.0万㎡。うち第1期工事で2.0万㎡(うち生産用スペースが約8,000㎡、倉庫スペースが9,000㎡超、事務所が約700㎡、その他設備が約1,500㎡)を完工する。24本の生産ラインを有する。
・2018年下期に建設工事に着工し、2019年第3四半期に工場を稼働する計画。
・生産品目は、センサー、アクチュエーター、フューエル/エグゾーストマネージメントシステム用部品など。
・中国市場向けパワートレイン関連製品供給体制の強化が狙い。
インドでの生産関連動向
2018年12月~2019年1月に、Puneにおける2件のグリーンフィールド投資を発表。
内装部品工場
2018年12月、Puneで高級内装部品を生産する工場の建設に着工した。
投資額は2,200万ユーロ。敷地面積12,000㎡。従業員は最大110人を予定。
・2020年に稼働予定。
パワートレイン関連製品工場
2019年1月、Puneでパワートレイン関連製品を生産する工場の建設に着工した。
・投資額は3,000万ユーロ。工場建屋建設や周辺のインフラ整備に充てる。
・2020年初旬に稼働予定。
・生産品目は、エンジンマネージメントシステム、センサー、アクチュエーター、燃料/排気マネージメントシステム向け部品(乗用車、商用車、二輪車向け)。
リトアニア電子部品工場の建設に着工
2018年7月、リトアニアKaunasで電子部品工場の建設に着工。
・向こう5年間の投資額は9,500万ユーロ。1,000人の新規雇用を創出する。
・2019年下半期に稼働開始予定。
・ドアやシートの制御ユニットや長距離ミリ波レーダーなどの電子部品を生産する。
・Continentalにとって、リトアニア初の生産拠点となる。
チェコTrutnov工場を拡張
2018年6月、チェコTrutnov工場を拡張した。
・需要が拡大しているNOxセンサーの生産能力を高める狙い。
・新しい生産棟のフロア面積は8,000㎡。このうち3,000㎡を生産ライン、2,200㎡を倉庫として利用。
・200人を新たに雇用。
・Industry 4.0に基づくデータフローも採り入れた。
・ContinentalはドイツRegensburg工場でも2007年からNOxセンサーを生産。2018年までに累計3,500万個を生産。
ドイツKnorr-Bremseと自動運転システム開発
2018年9月、ブレーキシステムを手がけるドイツKnorr-Bremseと商用車向け高度自動運転システムの開発で提携したと発表。
・Continentalはセンサー、環境モデリング、中央処理装置、コネクティビティ、HMIシステムを提供する。Knorr-Bremseは、ブレーキとステアリング用の冗長アクチュエーターシステムを提供するほか、システム全体の統合を行う。
・同月時点では、自動隊列走行(platooning)を目標としており、2019年初頭に3台のトラックのデモンストレーションを行う予定。
Continental、英国Vodafoneとコネクテッドの分野で提携
2018年6月、コネクテッドの分野で英国Vodafoneと提携。
・C-V2X、5G、バイルエッジコンピューティングなどのスマート通信技術を組み合わせたシステムを共同開発する計画。
・同月時点で、ドイツAldenhovenにあるVodafoneの5G mobility labで高速通信の応用に向けた研究を共同で行っている。
ドイツ人工知能研究センターと提携
2018年6月、ドイツ人工知能研究センター(DFKI=Deutsches Forschungs- zentrum für Künstliche Intelligenz)とAI開発で提携すると発表した。
・ドイツKaiserslauternのDFKI拠点に人工知能研究所(FIT)を共同で開設する。
・Continentalがグローバルに展開するソフトウェア・IT関連エンジニア約1.6万人の開発を支援する役目も担う。
UC BerkeleyのAI研究グループと提携
2018年7月、米国カリフォルニア州のカリフォルニア大学バークレー校(UC Berkeley)のAI研究グループとの提携を発表した。
・UC BerkeleyでAI、マシンラーニング、ディープラーニングを用いた自動運転技術の研究を行うBerkeley DeepDriveコンソーシアムにContinentalが参加。
・Continentalは今回の提携により、AIシステムの安全性に関する開発等を強化する。
米国Turoとキーレスモビリティサービスで提携
2018年11月、スマートフォンによるキーレス(デジタルキー)モビリティサービスの分野で米国Turoと提携すると発表。
・Turoは、C-to-Cカーシェアリングを手掛けるスタートアップ。2018年11月現在、1,000万人の顧客を有する。
・Los Angelesモーターショーで、ContinentalのKaaS(Key as a Service、スマートフォンが車両キーの役割を果たす)技術を活用したサービスのTuro Goを発表。
Turo Goは、スマートフォンのアプリを通じて、カーシェアリングの予約のみではなく、車両の解錠・施錠やエンジンの始動が可能。車両の所有者が利用者に直接キーを受け渡しする必要がなくなり、利便性が向上。
・まず、2018年11月からLos Angeles(カリフォルニア州)でTuro Goを展開。その後、数か月内に複数の都市でも導入する。
Continentalは、2017年12月からレンタカー大手のAvis Budget Groupの一部車両にKaaSを搭載している。
ドイツDarmstadt工科大学と開発提携
2018年10月、ドイツDarmstadt工科大学と共同でマシンラーニングを用いたシステムを開発すると発表した。
・AIによるマシンラーニングを通じ、左折、ラウンドアバウトへの進入、交差点での右折優先の3つの運転パターンをサポートするシステムを共同開発。
・システムがドライバーの運転スタイルに適応し、ドライバーの振る舞いや注意レベルに基づき、適切な勧告を提供する。
・車両側面に搭載した長距離/短距離レーダーセンサーから取得したデータにより交通状況を測定。3種の状況に応じてドライバーをサポートする。
・Darmstadt工科大学と進めるPRORETA研究プロジェクトの第4ステージに該当。3年半に及ぶプロジェクトでは、マシンラーニングが中心的役割を果たした。
シンガポールに自動運転技術開発チーム設立
2018年11月、フランスEasyMileと、シンガポールで自動運転技術の共同開発チームを設立すると発表。
・シンガポールで自動運転BEV(EasyMileのソフトウェアを搭載)の公道テストを行う。市街地での利用を想定したロボットタクシーの開発を進める考え。
・EasyMile はドライバーレス自動運転EV小型シャトルバスを手掛ける企業。Continentalは、ファーストマイル/ラストマイルのモビリティ向け需要への対応のため、2017年7月にEasyMileに出資。EasyMileの車両EasyMile EZ10をベースとしたドライバーレスシャトルのコンセプトCUbEを開発して2017年央に発表している。
シンガポールにR&Dセンター開設
2018年6月、シンガポールにR&Dセンターを開設した。
・7階建てで延べ床面積は約11,000㎡。
・主にInteriorおよびPowertrain事業の研究開発を行う。従業員数は500人。
・シンガポールでのR&D人員は2012年の650人から2018年までに1,300人に増員。向こう5年以内に2,000人以上に増やす計画。
AI分野のエンジニア増員
2018年11月、AI分野のエンジニアを同月現在の400人から2021年までに700人に増員すると発表した。
・ADAS/自動運転向けシステム強化が主な狙い。AIにより歩行者等の行動などを高い精度で認識(駐車車両の陰から飛び出す歩行者などの存在を認識することも可能とする)。
・また、AIが生産ラインの最終工程でのテスト最適化などの効率化にも寄与すると期待。
ハイドロプレーニング予防システム発表
2018年4月、サラウンドビューカメラとタイヤ内蔵センサー(eTIS)により雨天走行時のハイドロプレーニング(タイヤと路面の間に水が入り込み、車が水の上を滑るような状態になる現象)を予防するシステムを発表。
近年の主な製品供給動向
eTISを搭載する先行車両からの情報などを基に、ハイドロプレーニングの発生を後続のドライバーに知らせる。
FCA
2019年1月、新型Jeep Wranglerの48VマイルドハイブリッドシステムのeTorque向けに水冷式スタータージェネレーターのEco Driveを供給すると発表。
・最大88.5 lb-ft.(120Nm)のトルクをクランクシャフトに伝えることにより、エンジンの再始動に要する時間を0.5秒以内とした。
・Continentalによると、48Vマイルドハイブリッド向けの水冷式スタータージェネレーターは業界初。
JLR(Jaguar Land Rover)
2018年10月、BEVのJaguar I-PACEに搭載するパワーエレクトロニクスシステムを公開した。
・650Aまでの電流に対応。ハイエンドのスポーティ性能向けに特別設計された。
・両面焼結技術によるマイクロチップの汎用性も特長。既に供給しているRange Rover Sport PHEVも含め、JLRの電動車ラインアップ全体をカバーする。
トラック向け右折用ADASシステム発表
2018年8月、トラック向けの右側通行の国における右折時(巻き込み事故防止が目的)用ADASシステムを発表した。
・ミリ波レーダー、カメラ、AIの技術を統合し、精度を高めた。
・特に都市内交通でトラックが右折する際の、死角に存在する自転車や歩行者との接触を予防することが開発の目的。
EU全体での法的な装着義務は未整備であるが、ドイツなどでは自動車産業および交通関連事業者の自主努力により右折支援システムが積極的に採用されている。
バーチャルAピラー発表
2018年10月、Aピラーを擬似的に透過させ死角を低減するバーチャルAピラーを発表した。
ステアリングの上に搭載する室内カメラとAピラー(フロントサポートピラー)内側に統合配置したOLEDディスプレイを組み合わせる。外部環境のライブ映像の取得にはContinentalのサラウンドビューカメラを用いる。ドライバーの頭の動きを追跡し、外部のライブ映像を組み合わせてディスプレイに投影することで、擬似的に透過させる仕組み。
Aピラーは横転時の安全性向上に向け、近年の新モデルではワイド化する傾向にある。
透過技術によりドライバーの視認性を向上させ、交通安全に寄与する。
全コネクテッドシステムにサイバーセキュリティ搭載
2018年7月、Argus Cyber Security(以下、Argus)とElektrobitのサイバーセキュリティとOTA (Over the Air)アップデートソリューションを、全てのコネクテッド製品に適用すると発表した。
・ArgusとElektrobitはContinentalの100%子会社。Argusはイスラエルのスタートアップで、2017年11月に買収した。ドイツElektrobitは2015年に買収。
CESでインテリジェントドアシステム発表
2019年1月、CES (家電見本市)2019において、Intelligent Door Systemを世界初公開した。
・自動運転車において、乗員が乗降する際に自動でドアが開閉するシステム。ドアの開閉速度は調整可能。
PASE(Passive Start & Entry System)と連携。乗員のスマートフォンとの通信により、乗員が車両に接近しているのを検知し、自動でドアを開く。
・ドアが開く際にセンサーが障害物を検知すると、一時的にドアが開くのを停止する。
新世代のABS発表
2018年3月、新世代のABSとなるABS3を発表した。
・ブレーキ圧コントロールの向上によりレスポンスと精度を改善。
例えば路面の片側が落ち葉や雪、砂利で覆われているような場合に、左右それぞれのホイールで異なるレベルのブレーキ力を与え、車体の安定性を損なうことなく最大限の減速が可能となった。
電動車向け次世代熱マネジメントシステム発表
2018年9月、中国杭州(浙江省)で開催されたGlobal Future Mobility Conferenceで、電動車向けの次世代熱マネージメントシステムのCFCV(Coolant Flow Control Valve)を発表した。
CFCVはマルチポートバルブを採用。加熱および冷却回路を切り替えることで、利用可能な熱または冷気を適切な場所に送るシステム。2019年末までにCFCVの生産を開始する予定。
フルカラーAR HUDを発表
2018年10月、業界初となる車載向けフルカラーAR(拡張現実) HUD(ヘッドアップディスプレイ)を発表。
切り替え可能なホログラフィックグレーティングによる投影技術を手がける米国DigiLensと共同開発した。
システムサイズが10ℓと従来比で3分の1程度に小型化しながら、表示サイズを拡張。
従来システムのような鏡面技術ではなく、フラット導波路を重ねてRGBカラー空間を作る技術を採用。
電子式車高調整システムを発表
2018年8月、超音波を利用して車両の高さを調整可能とするセンサーのUltrasonic Height and Pressure Sensor (UHPS)を発表した。
これまでは機械的に行われていた車高調整を電子化。特に都市バスの運行の効率化が狙い。
車両統合型センサーによりエアサスペンションの高さと圧を計測。そのデータがECUに送信され、エアサスペンションバルブが自動開閉する仕組み。路面の段差やバス停などに対応する柔軟な車高調整を実現。
さらに、センサー技術により過負荷や故障時に運転手に信号を送信し、必要なメンテナンスの早期発見を促し、ダウンタイム低減などに貢献する。
CESで新たなV2X技術発表
2019年1月、CES 2019において、5G-Hybrid-V2X Solutionを発表した。
4Gまたは5Gネットワークアクセス、DSRC(V2X通信専用の短距離通信)、C-V2Xシステムを統合。
ハードウェアとソフトウェアの共通化により、DSRCとC-V2Xの両方の通信規格に対応。
5G-Hybrid-V2X Solutionの採用により、コスト低減に加えて、V2X通信アプリケーションの複雑さ低減が可能となる。2020年代初旬に5G-Hybrid-V2X Solutionの量産を開始予定。
CESでスマートシティ関連システム発表
2019年1月、CES 2019でインテリジェント交差点(Intelligent Intersection)、インテリジェント街路灯(Intelligent Streetlamp)、City Fleet Management等のスマートシティ関連システムを発表。
インテリジェント交差点は、交差点に設置されたセンサーが得た情報をDSRC通信により車両に送信する。
例えば、交差点でドライバーの死角にいる歩行者をドライバーに警告する、信号が変わるタイミングをドライバーに知らせることによりドライバーが事前に速度調整し交差点を青信号で通過できるようにする等。渋滞の情報収集などによる交通の流れの最適化も可能になるという。
Continentalは、2017年10月に米国Brimley(ミシガン州)のR&Dセンターでインテリジェント交差点のデモ実験を実施。その後、Columbus(オハイオ州)でパイロット実験を実施した。CES 2019の期間中、Walnut Creek(カリフォルニア州)で公道デモを実施した。
インテリジェント街路灯は、周辺の道路の駐車スペースに空きがあるかモニターし、情報を車両に送信。駐車場の確保を支援することで、渋滞緩和が期待できる。
City Fleet Managementは、BEVカーシェアリング向けソリューション。予約、貸出承認、支払いなど、カーシェアリングのプロセス全てがスマートフォン等のアプリを通じて可能。車両の追尾も可能で、重大な事故などの場合に迅速な対応が可能となる。
FOURIN世界自動車調査月報
(FOURIN社転載許諾済み)