【2019年版】役員報酬ランキング ―日産元会長がダントツ1位【自動車メーカー】

2019.10.28
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上場企業は、年間で1億円を超える報酬を得た役員の名前と金額の開示が義務付けられています。2018年度の有価証券報告書をもとに国内自動車メーカー9社を対象に調査したところ、1億円以上の役員報酬を受けた役員は19名でした。

トップはゴーン氏で16億円越え

【1億円以上の報酬を受けた役員 金額ランキング】2018年の各社の有価証券報告書をもとに作成。1位 日産自動車 元代表取締役会長 カルロス・ゴーン、報酬総額16億5200万円、前年比マイナス12億1700万円。2位 トヨタ自動車 代表取締役副社長 ディディエ・ルロワ、報酬総額10億4200万円、前年比プラス1600万円。3位 日産自動車 元代表取締役社長 西川 廣人、報酬総額4億400万円、前年比マイナス9500万円。4位 トヨタ自動車 代表取締役社長 豊田 章男、報酬総額3億8600万円、前年比プラス600万円。5位 三菱自動車 取締役会長 益子 修、報酬総額3億3900万円、前年比プラス1億9800万円。6位 トヨタ自動車 代表取締役会長 内山田 竹志、報酬総額1億8900万円、前年比プラス800万円。7位 日産自動車 元取締役 中村 公泰、報酬総額1億7800万円。8位 本田技研工業 代表取締役社長 八郷 隆弘、報酬総額1億7400万円、前年比プラス1900万円。8位 スズキ 代表取締役社長 鈴木 修、報酬総額1億7400万円、前年比マイナス4600万円。10位 日産自動車 元取締役 志賀 俊之、報酬総額1億6100万円。11位 いすゞ自動車 代表取締役社長 片山 正則、報酬総額1億4100万円、前年比マイナス100万円。12位 本田技研工業 取締役会長 神子柴 寿昭、報酬総額1億4000万円、前年比プラス3000万円。13位 いすゞ自動車 代表取締役会長 細井 行、報酬総額1億3600万円、前年比マイナス500万円。14位 トヨタ自動車 取締役 寺師 茂樹、報酬総額1億3100万円、前年比プラス700万円。15位 トヨタ自動車 代表取締役副会長 早川 茂、報酬総額1億1600万円、前年比プラス800万円。15位 マツダ 代表取締役 丸本 明、報酬総額1億1600万円。17位 本田技研工業 代表取締役副会長 倉石 誠司、報酬総額1億1300万円。18位 日野自動車 代表取締役会長 市橋 保彦 報酬総額1億1200万円、前年比プラス200万円。19位 日野自動車 代表取締役社長 下 義生 報酬総額1億1100万円。トップは日産自動車の元代表取締役会長・カルロス・ゴーン氏で、報酬総額は16億5200万円でした。当初は基本年俸だけで25億4400万円となる予定でしたが、2018年11月に有価証券報告書の虚偽記載で会長退任となったため大幅な減額に。この結果報酬総額は前年度から12億円以上のマイナスとなったものの、他の役員と大きく差をつけたまま1位の座を守っています。

2位はトヨタ自動車の代表取締役副社長・ディディエ・ルロワ氏で、報酬総額は10億4200万円でした。代表取締役社長の豊田章男氏(3億8600万円)と比べると、報酬総額は2.7倍。このうち1億1000万円は子会社のトヨタモーターヨーロッパから受け取っています。

3位は日産の元代表取締役社長・西川廣人氏で、報酬総額は4億400万円でした。西川氏はゴーン氏の不正を見逃した責任に加え、自身も不当な報酬を受け取った疑いが浮上したことで今年9月に社長職を辞任しています。

9社のなかで1億円以上の報酬を受け取っている人数が最も多かったのは5名でトヨタでしたが、役員報酬の総額(1億円未満の役員報酬も含む)は日産がトップ。トヨタは21億4900万円、日産は27億9900万円でした。

社員との年収格差 最高値は200倍以上

役員報酬を平均年収で割り、役員と社員との年収格差を算出しました。

【社員と従業員の年収格差ランキング】2018年の各社の有価証券報告書をもとに作成。1位 日産自動車 カルロス・ゴーン、年収格差 202.6倍、役員報酬16億5200万円、従業員平均年収 815.5万円。2位 トヨタ自動車 ディディエ・ルロワ、年収格差 122.4倍、役員報酬10億4200万円、従業員平均年収 851.6万円。3位 日産自動車 西川 廣人、年収格差 49.5倍、報酬総額4億400万円、従業員平均年収 815.5万円。4位 三菱自動車 益子 修、年収格差 45.7倍、報酬総額3億3900万円、従業員平均年収 742.1万円。5位 トヨタ自動車 豊田 章男、年収格差 45.3倍、報酬総額3億8600万円、従業員平均年収 851.6万円。6位 スズキ 鈴木 修、年収格差 25.5倍、報酬総額1億7400万円、従業員平均年収 681.4万円。7位 トヨタ自動車 内山田 竹志、年収格差 22.2倍、報酬総額1億8900万円、従業員平均年収 851.6万円。8位 日産自動車 中村 公泰、年収格差 21.8倍、報酬総額1億7800万円、従業員平均年収 815.5万円。9位 本田技研工業 八郷 隆弘、年収格差 21.2倍、報酬総額1億7400万円、従業員平均年収 819.8万円。10位 日産自動車 志賀 俊之、年収格差 19.7倍、報酬総額1億6100万円、従業員平均年収 815.5万円。11位 いすゞ自動車 片山 正則、年収格差 18.4倍、報酬総額1億4100万円、従業員平均年収 766.3万円。12位 いすゞ自動車 細井 行、年収格差 17.7倍、報酬総額1億3600万円、従業員平均年収 766.3万円。13位 マツダ 丸本 明、年収格差 17.1倍、報酬総額1億1600万円、従業員平均年収 676.9万円。14位 本田技研工業 神子柴 寿昭、年収格差 17.1倍、報酬総額1億4000万円、従業員平均年収 819.8万円。15位 日野自動車 市橋 保彦、年収格差 16.8倍、報酬総額1億1200万円、従業員平均年収 667.0万円。16位 日野自動車 代表取締役社長 下 義生、年収格差 16.5倍、報酬総額1億1100万円、従業員平均年収 667.0万円。17位 トヨタ自動車 寺師 茂樹、年収格差 15.4倍、報酬総額1億3100万円、従業員平均年収 851.6万円。18位 本田技研工業 倉石 誠司、年収格差 13.8倍、報酬総額1億1300万円、従業員平均年収 819.8万円。19位 トヨタ自動車 早川 茂、年収格差 13.6倍、報酬総額1億1600万円、従業員平均年収 851.6万円。

最も差が大きかったのは、役員報酬でもトップのカルロス・ゴーン氏でした。ゴーン氏の役員報酬を日産自動車社員の平均年収(815.5万円)で割ると、その差は202.6倍。今年度は減額となったため前年度の350.6倍と比べると縮まったものの、大きな差が開いていることに変わりはありません。

2位はディディエ・ルロワ氏でトヨタ自動車社員の平均年収(851.6万円)との差は122.4倍。トヨタの平均年収はこの1年で19.6万円増額しており、年収格差も前年の123.3倍からわずかに縮まっています。

(オートモーティブ・ジョブズ編集部)

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