【2018年版】世界自動車メーカー販売台数ランキング

販売台数を公表している自動車メーカーのうち、年間の販売台数が100万台を超えるグループ企業のデータを集計し、ランキングにしました。
2017年 自動車メーカー販売台数ランキング
1位 VW(フォルクスワーゲン)
1074.1万台(前年比4.3%増)
前年に続いてトップを飾ったのはVWで、17年の販売台数は1074.1万台(前年比4.3%増)でした。メーカー別では、VWが623.0万台(4.2%増)、アウディが188.0万台(1.2%減)、シュコダが123.2万台(6.9%増)でした。
VWブランドでは、8年ぶりにフルモデルチェンジした「Tiguan」の販売台数が増加。上位車種にはガソリンスタンドの料金や駐車場の空き情報などが分かるコネクテッド機能も装備されており、17年は前年から20万台以上増えて77万台を売り上げました。
2位 ルノー・日産・三菱自動車連合
1060.8万台(前年比6.5%増)
トヨタを抜いて2位に躍り出たのは、ルノー・日産・三菱自動車連合です。17年の販売台数は1060.8万台(6.5%増)で、大台の1000万台超えを達成しました。16年の三菱自動車のアライアンス参入が全体の販売台数を引き上げました。
メーカー別の販売台数は、日産が577.0万台(2.6%増)、ルノーが376.2万台(8.5%増)、三菱自動車が110.1万台(18.9%増)。三菱自動車は16年4月に燃費不正問題が発覚した影響で一時は販売台数が落ち込みましたが、17年は不正問題が発覚する前の水準に戻っています。
3位 トヨタ自動車
1044.1万台(前年比1.9%増)
3位に後退したトヨタの販売台数は1044.1万台(1.9%増)。販売台数は過去最高を記録したものの、主力の北米で苦戦しました。18年はタイを中心にアジアで売り上げが伸びる見通しですが、販売台数は1050万台となる予想で増加幅は大きくありません。
同社は「台数を追わない」との姿勢を示しており、電気自動車や自動運転といった新技術の開発や、シェアリングなどのサービスに注力しています。
4位 GM(ゼネラルモーターズ)
960.0万台(前年比3.7%減)
GMの販売台数は前年から3.7%減の960.0万台でした。GMは1931~2007年まで販売台数ランキング1位の座を守ってきましたが、リーマンショックの影響で09年に経営破綻に至りました。その後、米国政府の支援を受けて10年に再上場。17年の販売台数ランキングでは、前年からひとつ順位を落として4位となりました。
5位 現代自動車グループ
726.7万台(前年比7.8%減)
5位は韓国の現代自動車グループで、販売台数は726.7万台(7.8%減)でした。現代自動車は主力市場の中国で販売が振るわず、前年比7.3%減の450.7万台となりました。傘下の起亜自動車は276.0万台(8.5%減)で、中国・米国・韓国での販売が減少。18年はSUVの販売に力を入れ、主力市場の強化や新たな市場開拓を図る方針です。
13~17年 大手5社の販売台数の推移
大手5社の販売台数の推移と13年比の増加率をまとめました。ルノー・日産・三菱自動車連合は16年に三菱自動車がアライアンスに参入した影響で28.3%増加。VWも13年と比べて9.8%増えました。
一方、GMは大手5社の中で唯一販売台数が減少。17年に子会社のオペルとボクスホールをPSAに売却して欧州事業から撤退したことが響きました。
13年比 増加率トップはベンツが好調なダイムラー
集計対象とした自動車メーカーのうち、13年からの5カ年で販売台数の増加率が高かった上位5社をご紹介します。
最も増加率が高かったのは、ドイツのダイムラーです。増加率は39.1%で、台数にすると92.0万台増加。主力のメルセデス・ベンツブランドの販売台数が、全体の販売台数1.5倍以上に増え、全体の販売台数を牽引しました。
国内自動車メーカーのスバルは、24.2万台増えました。14~20年度の中期経営企画で最重要市場に設定した米国の販売台数が2倍近く増加。20年度には世界全体で110万台以上の販売を目指しています。
今後は中国のシェア拡大がカギ
国際自動車工業連合会(OICA)によると、17年に販売台数が最も多かった国は中国で2912.3万台(前年比3.9%増)でした。中国は09年に米国を抜いて世界最大の自動車市場となり、全世界の販売台数のうち3割以上を占めています。
中国市場の拡大を受け、各社中国での販売を強化。VWはこれまで現地自動車メーカーの第一汽車、上海汽車、安徽江淮汽車と合弁契約を締結しており、17年は417.4万台を売り上げました。国内メーカーで中国シェアトップの日産は、22年に260万台(17年の販売台数は152万台)の販売を目指しており、1兆円を投資する方針です。
中国政府は19年から新エネルギー車(電気自動車、プラグインハイブリッド車、燃料電池車)の生産・販売を一定の割合で義務付けるNEV規制を導入すると発表しています。今後はこの規制に対応し、どれだけ中国で売り上げを伸ばせるかが販売台数拡大のカギとなってくるでしょう。
(オートモーティブ・ジョブズ編集部 山岡結央)
