【最新!】自動車業界 社長と従業員の年収格差ランキング ―トップの社長は従業員の60倍

2018.10.30
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企業の代表者である社長。社長は一体、従業員と比べてどのくらい高い年収を手にしているのだろうか。自動車業界の社長の役員報酬と従業員の平均年収の差を調査し、「年収格差」が大きい順でランキングにした。

最大で格差60倍!社長の役員報酬トップは約5億円

上場企業は、年間で1億円を超える報酬を得た役員の名前と金額の開示が義務付けられている。自動車メーカー9社と主要部品メーカー31社を対象に社長の役員報酬を調査したところ、1億円を上回っていたのは12社だった。

【社員と従業員の年収格差ランキング】2017年の各社の有価証券報告書をもとに作成。1位 日産自動車 社長 西川廣人、年収格差 61.0倍、役員報酬4億9900万円、従業員平均年収 818.4万円。2位  トヨタ自動車 社長 豊田章男、年収格差 45.7倍、役員報酬3億8000万円、従業員平均年収 831.9万円。3位 スタンレー電気 社長 北野隆典、年収格差 28.5倍、役員報酬1億8500万円、従業員平均年収 648.8万円。4位 日本精工 社長 内山俊弘、年収格差 26.6倍、役員報酬2億300万円、従業員平均年収 762.3万円。5位 日本特殊陶業 社長 尾堂真一、年収格差 23.1倍、役員報酬1億5200万円、従業員平均年収 657.1万円。6位 三菱自動車 社長 益子修、年収格差 19.6倍、役員報酬1億4100万円、従業員平均年収 720.9万円。7位 本田技研工業 社長 八郷隆弘、年収格差 19.2倍、役員報酬1億5500万円、従業員平均年収 808.6万円。8位 いすゞ自動車 社長 片山正則、年収格差 18.9倍、役員報酬1億4200万円、従業員平均年収 749.8万円。9位 スズキ 社長 鈴木俊宏、年収格差 16.9倍、役員報酬1億1100万円、従業員平均年収 657.2万円。10位 デンソー 社長 有馬浩二、年収格差 16.4倍、役員報酬1億3300万円、従業員平均年収 812.3万円。11位 住友電気工業 社長 井上治、年収格差 14.5倍、役員報酬1億1620万円、従業員平均年収 804.0万円。12位 豊田自動織機 社長 大西朗、年収格差 14.0倍、役員報酬1億1100万円、従業員平均年収 795.3万円。

年収格差が最も大きかったのは、日産自動車で61.0倍。2016年4月に就任した西川廣人社長は、自動車業界の社長の役員報酬として最高額の4億9900万円を受け取っており、従業員の平均年収(818.4万円)とは大きな差が開いている。

2位はトヨタ自動車。豊田章男社長の役員報酬は3億8000万円で、従業員の平均年収(831.9万円)の45.7倍だった。日産の西川社長とトヨタの豊田社長の役員報酬は3位以下を引き離しており、従業員との年収格差も大きくなっている。

3~5位には、独立系部品メーカーのスタンレー電気(28.5倍)、日本精工(26.6倍)、日本特殊陶業(23.1倍)がランクイン。従業員の平均年収は、トヨタ系部品メーカーのデンソー(812.3万円)や豊田自動織機(795.3万円)の方が高いが、社長の役員報酬は独立系部品メーカーが上回っているため、従業員との年収格差が20倍以上となっている。

社長の役員報酬が1億円を超えた12社のうち、半数を自動車メーカーが占めており、部品メーカーよりも自動車メーカーの方が社長の役員報酬が高い傾向にある。マツダ・SUBARU・日野自動車は社長の役員報酬は1億円未満だが、会長の役員報酬は1億円超え。マツダの小飼雅道会長は1億1700万円を受け取っており、従業員の平均年収との格差は17.2倍だった。

【大手3社 社長の役員報酬推移】ゴーン氏が社長時は10億円超え

国内大手3社のトヨタ・ホンダ・日産の社長の平均年収の推移をまとめた。

【大手3社の社長の役員報酬の推移】各社の有価証券報告書をもとに、決算時の社長の役員報酬のデータを集計して作成。▼豊田は豊田章男氏、▼ホンダは伊藤孝紳氏(2012~2013年度)、八郷隆弘氏(2014~2017年度)。2014年度の社長の役員報酬は1億未満。▼日産はカルロス・ゴーン氏(2012~2015年度)、西川廣人(2016~2017年度)。日産は2012~2015年度のカルロス・ゴーン氏の役員報酬は群を抜いて高く、最高額は2015年度の10億7100万円で、当時の従業員の平均年収との各社は、140倍にのぼる。2016年西川廣人氏が社長をついた後も、2017年の自動車業界の社長の役員報酬として最高額の4億9900万円を受け取っている。トヨタの豊田章男氏の役員報酬は2015~2016年度は微減だったおものの、全体としては右肩上がりで、2017年には3億8000万円を受けっ取った。ホンダは3社の中で役員報酬が最も低く、八郷隆弘氏が社長に就任した2014年の役員報酬は1億未満であった。しかし着実に微増を続けており、2017年の役員報酬では1億5500万を受け取っている。

報酬額が群を抜いているのは、カルロス・ゴーン氏が社長だった頃の日産。最高額は2015年度の10億7100万円で、当時の従業員の平均年収との格差は135倍にのぼる。ゴーン氏は社長を退いたが、会長として2016年度は10億9800万円、2017年度は7億3500万円の役員報酬を受け取っている。

トヨタの豊田章男氏の役員報酬は、2015~2016年度は微減だったものの、全体としては右肩上がり。社長に就任以降はじめて役員報酬が1億円を超えた2010年度(1億3600万円)と比べると、7年間で2.8倍に増加している。

(オートモーティブ・ジョブズ編集部 山岡結央)

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