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メルセデス・ベンツのディーラー(正規販売店)で働く整備士の年収や待遇はどうなっているのでしょうか。ベンツディーラーの種類、社内資格と研修制度、働いた際の特色などを本記事でくわしく解説します。
ベンツディーラーで働く整備士の年収
メルセデス・ベンツのディーラーで働く整備士の年収はいくらでしょうか。
本記事では、整備士ジョブズに掲載しているメルセデス・ベンツディーラーの中途採用時のオファー年収(企業が提示する年収)データを基に平均値を算出します。
ベンツディーラーの整備士の平均年収(オファー年収)は447.6万円です。
年収は年齢やキャリア、保有資格、地域によって異なりますので、あくまで平均値としてお考えくださいね。
なおこちらは途中入社初年度の想定年収になりますので、入社後にしっかりキャリアアップしてさらに年収を上げることが可能です!
ベンツディーラーの種類と説明
輸入車であるメルセデス・ベンツのディーラーは、正規販売店と呼ばれています。複数の運営会社が正規販売店に認定されており、代表的なものはヤナセ、シュルテンです。運営会社は異なっても、正規販売店は「メルセデス・ベンツ◯◯」(◯◯には地名が入る)という名称で統一されています。
どの店舗でも、メルセデス・ベンツ認定の整備資格を保有する整備士が働いています。
ベンツディーラーの特色は「最新技術を整備する」
メルセデス・ベンツは、1886年に創業された、世界でも最古参の自動車メーカーです。高級セダンやSUV、オープンモデルなど、スタイリッシュでラグジュアリーな自動車を製造していることで知られています。
ベンツがつくる自動車は、ただ高級であるというわけではありません。居住性の高さは言うに及ばず、走行性能や安全性能には最新のメカニズムが盛り込まれています。
自動車産業が100年に一度の改革期と言われている現在、技術開発でベンツは最先端を走っています。実用性と安全性に優れたEV(電気自動車)をはじめ、話しかけるだけでナビの目的地設定やエアコン、オーディオ、知りたい情報の表示などをこなしてくれる運転サポートシステム「MBUX(メルセデス・ベンツ・ユーザー・エクスペリエンス)」は、まさに次世代の自動車を象徴するシステムです。
このような最新技術の数々は、さすが「最善か無か」という哲学を持ち、妥協しない自動車づくりを続けてきているメーカーですね。
ベンツディーラーの整備士(メカニックと呼ばれます)は、このように複雑な技術、テクノロジーに対応しなければいけないため、日々のスキルアップが必須となっています。
それを支えるのが、メルセデス・ベンツの認定資格です。
参考:メルセデス・ベンツ『アフターサービスクオリティ』を基に整備士ジョブズで作成
メルセデス・ベンツの認定資格は、プレミアムブランドとしての高い品質維持を目的にしています。ユーザーの高い要望に応えるためには、必要不可欠のスキルと言えるかもしれません。
整備士向けには、SA(サービス・アドバイザー)、DT(故障診断士)、SY(システム・テクニシャン)、MT(メンテナンス・テクニシャン)があります。
それぞれ説明します。
ステップ | 習得する知識・技能 |
---|---|
サービス・アドバイザー | メルセデスブランドとその技術に対して深い知識を持ち、高いコミュニケーション能力でお客様のニーズを正確に受け止める |
故障診断士 | 入庫した車両の点検と同時に、正確な故障診断を行うことで問題点を探り、ねらいを定めて効率性の高い整備計画を構築する |
システム・テクニシャン | 数多くのセンサーや自動制御装置などが搭載され、ますます高度にシステム化されるメルセデスを正しく診断し、必要な対処を行う |
メンテナンス・テクニシャン | 各種診断機器を使いこなして車両の定期点検やメンテナンスを行う。 メカニカルな整備・修理を中心に行い、部品の交換時期も判断する |
参考:メルセデス・ベンツ『アフターサービスクオリティ』を基に整備士ジョブズで作成
各認定資格には、数千円~2万円程度の資格手当がつくようです(運営会社によって異なります)。スキルアップに加えて年収アップにも繋がるので、ぜひチャレンジされることをおすすめします。
サービス技能を競う「テックマスターズ」とは
メルセデス・ベンツのサービススタッフが技能を競うコンテストが「テックマスターズ」です。
2002年から、日本一を決める「テックマスターズジャパン」が開催されています(最新の開催は2018年)。
「故障診断士」「サービスアドバイザー」「パーツ・コンサルタント」「システム・テクニシャン」「メンテナンス・テクニシャン」の5部門で、知識、技術、お客様対応力を競います。
テックマスターズジャパンで上位に選ばれたスタッフは、メルセデス・ベンツの本国であるドイツで行われる「グローバル・テックマスターズ」に日本代表として出場することができます。
メルセデス・ベンツの整備士には、認定資格の獲得やスキルアップとともに、「テックマスターズで優勝する」という目標を持つ方も多いようです。
ベンツディーラーで働く整備士の特徴
ベンツディーラーで働く整備士は、接客業務がありません。メカニックとサービスフロントの業務が完全に分かれています。
これは「メカニックは、整備業務に集中できるように」というメルセデス・ベンツの意向があるからです。ベンツディーラーで働くメカニックには、この環境をとても気に入ってる方が多いようです。
外車の整備をする際、気になるのが工具についてです。
日本車のディーラー等から外車ディーラーへの転職を考えた際、「国産車用のミリ工具を揃えているのに、インチ工具をイチから揃えなくてはならないのか?」と不安を感じる整備士さんもいらっしゃいます。
メルセデス・ベンツは国産車と同じミリ工具を使用しますので、その点は安心です。また企業によっては、工具の支給、貸与、購入手当といったサポートを設けている場合もあるので、求人を探す際にチェックしてみてもいいでしょう。
まとめ
メルセデス・ベンツは、自動車のメカニズム、アフターサービスなどすべてにおいて高品質を標榜しているメーカーです。それゆえに、ディーラー(正規代理店)で働く整備士にも、高い技術力が求められます。
「そんな技術力は自分にはない。しかも外車だし…」と不安に思われている方もいるかもしれませんが、安心してください。充実した研修・トレーニング制度があります。これまで培った自動車のスキルに加え、メルセデス・ベンツが認定する高い水準の整備・診断の技術をしっかりと身につけることが可能です。
なお、各ディーラーでは福利厚生も充実していますので、良いワークライフバランスで働くことができるでしょう。
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