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自動車整備士の給料は安いって本当?
実情と高収入整備士の特徴を紹介

更新日

「自動車整備士の給料は低い」という話をよく耳にしますが、それは本当なのでしょうか?ここでは、最新の自動車整備士の給料データやメーカー別の初任給ランキング、高収入整備士の特徴など、さまざまな角度から自動車整備士の給料事情をお伝えします。

自動車整備士の給料平均は約28万円

自動車整備士の平均給料
自動車整備士の「年収」と「月収」
※1.平均年齢46.7歳
※2.年間のボーナスを月収の2.5ヵ月分として月収を算出
日本自動車整備振興会連合会の『令和4年度版 自動車整備士白書』をもとに作成。

日本自動車整備振興会連合会の『令和4年度版 自動車整備白書』によると、全国の自動車整備士の平均年収は404万4000円でした。ボーナスが2.5ヵ月分だとすると、月収は27万8896円。ここから社会保険料や税金などが引かれるので、手取りは23万円ほどになります。

自動車整備士とサラリーマンの給料平均
自動車整備士とサラリーマンの「収入の差」
日本自動車整備振興会連合会の『令和4年度版 自動車整備士白書』と国税庁『令和4年分 民間給与実態統計調査』をもとに作成。

サラリーマンの給料平均と比べてみると、やはり自動車整備士の給料は低め。年収では50万円以上、月収では4万円ほど低くなっています。

自動車整備士の給料は上がり続けている

自動車整備士の給料はサラリーマンよりも低めですが、給料自体は上がり続けています。

自動車整備士の平均年収の変化
整備士の給料が上がっている 中でも、「ディーラーの給料」が上がっていて、民間の整備工場はあまり上がっていない
日本自動車整備振興会連合会『令和4年度版 自動車整備白書』をもとに作成。

自動車整備士全体の平均年収は、この5年間で13万円アップ。月収に換算すると、額面で1万円ほど増えていることになります。

特に給料がアップしているのは、ディーラーで働いている自動車整備士です。2018年度の平均年収は466万円でしたが、2022年度には481万円と15万円増加。月収にすると、1万2500円ほど増えています。

自動車整備士の給料がアップしているのは、深刻化している自動車整備士不足が大きな理由です。現在は、ディーラー・民間の整備工場を問わず自動車整備士が足りていない状況。自動車整備士の離職を防いだり、採用を進めたりするために給料などの待遇が改善されているので、今後も給料アップが続く可能性は高いでしょう。

参考:「整備士不足はどこまで深刻化する?解消はするの?年収や仕事の将来性は?

ディーラーと民間の整備工場は給料の差が大

ディーラーで働く自動車整備士の給料は上がっていますが、民間の整備工場で働く自動車整備士の給料はほとんど横ばい。このため、ディーラーと民間の整備工場の間で給料の差が広がっています。

ディーラーと民間の整備工場の給料平均
ディーラーと民間整備工場との「収入の差」
※年間のボーナスを月収の2.5ヵ月分として月収を算出
日本自動車整備振興会連合会『令和4年度版 自動車整備白書』をもとに作成。

最新のデータでは、ディーラーで働く自動車整備士の給料平均は年収が480万5000円、月収が33万1379円でした。サラリーマン全体の給料平均(年収457万6000円、月収32万1666円)より高い金額にまでアップしています。一方、民間の整備工場で働く自動車整備士の給料平均は年収が370万3000円、月収が25万5379円。ディーラーで働く自動車整備士よりも、年収では110万円以上、月収では7万円以上低くなっています。

民間の整備工場で働く自動車整備士の給料が低いのは、民間の整備工場の方が残業時間が短く、休日も多いため。民間の整備工場はディーラーと比べて勤務時間が短い分、給料も低くなるようです。

どのディーラーが一番稼げる?初任給が高いメーカーを調査

全国のディーラーの初任給を調査し、メーカーごとにまとめました。
この調査では基本給を使用していますが、実際の初任給は基本給に資格手当や残業代などが加わるため、もう少し高めの金額となる可能性があります。

メーカー別 ディーラーの初任給調査
ディーラーごとの初任給。【いすゞ】17万7133円【日野自動車】17万6879円【マツダ】17万6074円【ホンダ】17万5986円【トヨタ】17万2473円【日産】16万9082円【三菱自動車】16万8922円【スズキ】16万7318円【ダイハツ】16万6742円
全国のディーラー636社を対象に調査し、整備士JOBSで作成。新卒採用ページで公開しているデータを使用(データは2018年時点のもの)。

今回の調査の結果、最も初任給が高かったのはトラックの整備が中心のいすゞで17万7133円でした。2番目は、日野自動車の17万6879円。自動車メーカーで国内最大手のトヨタは、17万2473円で5位となっています。

最も初任給が低かったのは、ダイハツで16万6742円。乗用車メーカーよりも商用車メーカーの方が上位にランクインしていますが、上位と下位の差は1万円ほどしかないため、初任給はそれほど変わらないという結果になりました。

自動車整備士で高い給料を目指すには?

自動車整備士は30代で年収500万円以上、40代で年収550万円以上あれば給料が高めだと言われています。高収入な自動車整備士の特徴を3つご紹介するので、給料アップを目指している方は参考にしてみてください。

1.ディーラー勤務

データにも現れているように、民間の整備工場で働く自動車整備士よりもディーラーで働く自動車整備士の方が給料は高め。なかでも輸入車ディーラーは経験年数ではなく成果によって給料が決まるところも多いため、経験年数が浅い方は特に給料アップのチャンスがあるでしょう。

2.ディーラー独自の資格を取得

ディーラー独自の資格とは、ディーラーが会社の中で設定している資格のこと。資格を取得すれば、仕事の幅が広がったり昇進したりする可能性があります。

3.サービスフロントや工場長などにステップアップ

現場で自動車整備士として活躍し続けるよりも、サービスフロントや工場長にステップアップした方が高収入を狙えます。接客やマネジメントなど自動車整備以外の仕事も担当する必要はありますが、給料を上げたい方は上のポジションを目指していくのがいいでしょう。

参考:「サービスフロントとは|仕事内容、年収、営業や整備士との違いを解説

まとめ

自動車整備士全体の給料平均は年収で404万4000円、月収では27万8896円でした。サラリーマン全体の給料平均より低めの金額ですが、働く場所やポジションによっては、サラリーマン以上の給料がもらえる可能性もあります。自分の給料が平均より低い方は、給料が高めのディーラーに転職したり、仕事の幅を広げていったりすると給料アップにつながるかもしれません。

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