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2級自動車整備士の資格
~種類・試験内容・難易度~

更新日

2級自動車整備士は、3級から1級まである自動車整備士の国家資格のなかで、最も取得者数が多い資格です。2級自動車整備士になれば、ほとんどの整備を担当できるようになります。

ここでは、2級自動車整備士の資格の種類や試験の内容、難易度について解説します。

2級自動車整備士の仕事内容と資格

自動車整備士は、自動車の定期的なメンテナンスや点検、分解、組み立てなどをする仕事です。3級から1級まである自動車整備士の国家資格のなかでも、2級自動車整備士は最も取得者数が多い資格。自動車整備士の8割以上が2級自動車整備士の資格を持っています。
2級自動車整備士になると、エンジンや足回りの分解整備を含めたほとんどの整備を担当できます。

2級自動車整備士の資格の種類

2級自動車整備士の資格は「2級ガソリン自動車整備士」「2級ジーゼル自動車整備士」「2級自動車シャシ整備士」「2級二輪自動車整備士」の4種類。それぞれの資格を取ればどんな仕事ができるのかをご紹介します。

2級ガソリン自動車整備士

2級ガソリン自動車整備士とは、ガソリンエンジンで動く普通自動車と四輪・三輪の小型自動車、軽自動車の整備ができる資格です。自動車整備士の国家資格の中で最も受験者数が多く、この資格があればエンジンや足回りの分解整備など、ほとんどの整備を担当できます。
2級ガソリン自動車整備士はガソリン車の整備に関する資格ですが、同時にディーゼル自動車やシャシの整備も担当できるようになります。

2級ジーゼル自動車整備士

2級ジーゼル自動車整備士とは、ディーゼルエンジンで動く普通自動車と四輪・三輪の小型自動車、軽自動車の整備ができる資格です。2級ジーゼル自動車整備士の資格を取ることで、3級ではできないエンジンや足回りの分解整備もできるようになります。
ディーゼル自動車の整備は2級ガソリン自動車整備士の資格でも担当できますが、2級ジーゼル自動車整備士の資格を取ることで、より専門的な知識を身に付けられます。

2級自動車シャシ整備士

2級自動車シャシ整備士とは、普通自動車、四輪・三輪の小型自動車、軽自動車のエンジンとボディを除いたシャシ部分の整備ができる資格です。
車検の完成検査ができる自動車検査員を受験するには、2級ガソリン自動車整備士か2級ジーゼル自動車整備士の資格が必要なので注意しましょう。

2級二輪自動車整備士

2級二輪自動車整備士は、二輪自動車や原動機付自転車の整備に関する国家資格の中で、最もレベルが高い資格です。二輪自動車整備士の資格には1級二輪自動車整備士もありますが、これまでに試験が行われたことはありません。

2級自動車整備士の4つの資格のなかで、最も受験者数が多いのは2級ガソリン自動車整備士。2級ジーゼル自動車整備士が次に多くなっています。

2級自動車整備士になるには

2級ガソリン・ジーゼル・ニ輪自動車整備士の受験資格

2級自動車整備士の資格試験を受けるには、受験資格を満たす必要があります。2級ガソリン・ジーゼル・ニ輪自動車整備士と2級自動車シャシ整備士で受験資格が違いますが、ここでは2級ガソリン・ジーゼル・二輪自動車整備士の受験資格について説明します。2級自動車シャシ整備士の受験資格が知りたい方はこちらをご覧ください。

高校卒業後、2級自動車整備士資格取得までのフロー図。【自動車整備専門学校に通う場合】専門学校卒業の時点で2級自動車整備士の受験資格が得られる。【高校が自動車科の場合】高校卒業の時点で3級自動車整備士の受験資格が得られる。3級自動車整備士の資格を保有し2年間の実務経験を積むと2級自動車整備士の受験資格が得られる。【高校が機械科の場合】高校卒業後6ヶ月の実務経験を積むと3級自動車整備士の受験資格が得られる。3級自動車整備士の資格を保有し2年間の実務経験を積むと2級自動車整備士の受験資格が得られる。【高校が自動車・機械科以外の場合】高校卒業後1年間の実務経験を積むと3級自動車整備士の受験資格が得られる。3級自動車整備士の資格を保有し3年間の実務経験を積むと2級自動車整備士の受験資格が得られる。
※実務経験…ディーラーや民間の整備工場、ガソリンスタンドなどで自動車整備の仕事をすること

資格を取るまでの流れ

2級自動車整備士になるには、日本自動車整備振興会が実施する「自動車整備技能登録試験(登録試験)」を受験するのが一般的。登録試験に合格した後、2年以内に全免申請※をすれば自動車整備士の国家資格を取得できます。
なお、全免申請に必要な書類は受験した資格や卒業した学校などによって変わるため、都道府県の自動車整備振興会に問い合わせてください。

※全免申請…自動車整備士技能検定試験(検定試験)の免除申請のこと。自動車整備士の試験には日本自動車整備振興会が実施する「登録試験」と、国が実施する「検定試験」がある。自動車整備士の資格は国家資格のため国が実施する試験に合格する必要があるが、現在の検定試験は試験を実施する資格や地域が限定的なため、登録試験に合格して検定試験の免除申請をするのが一般的になっている。

1.都道府県の自動車整備振興会で申請する
■申請時に必要なもの
  • 登録試験受験申請書
  • 受験手数料
  • 縦6.0cm、横4.5cmの証明写真
  • 郵便はがき(学科試験のみ:2枚、学科・実技試験:4枚)
  • 受験資格を証明するもの(卒業証書、実務経験証明書など)
2.自動車整備技能登録試験を受験する
■学科試験
筆記試験のみ
■実技試験
資格によっては、実技試験が行われていない場合もある。一種養成施設※の専門学校や高校・大学を卒業したり、自動車整備振興会技術講習を受けたりして免除するのが一般的。
3.都道府県の自動車整備振興会で手続き(全免申請)
■申請時に必要なもの

(例)神奈川県自動車整備振興会

  • 検定申請書
  • 学科試験合格証書または学科試験合格通知はがき
  • 整備技能講習修了証書または一種養成施設卒業証書
  • 郵便はがき 2枚
  • 3級整備士合格証書(2級を受験した場合)
  • 実務経験が短縮になる方は、その卒業証書
  • 実務経験証明書もしくは検定申請書
  • 印鑑
  • 申請料

4.自動車整備士の合格証明書が届く

※一種養成施設…国土交通省の認定を受けた自動車整備士の専門学校、自動車大学校、高校、職業技術専門校のこと

試験の概要

2級ガソリン・ジーゼル・シャシ整備士の登録試験は年に2回行われています。同時に複数の資格を受けられるので、一度に2つ以上の資格を取りたい人は同時受験がおすすめです。なお、2級二輪自動車整備士の登録試験は年に1回です。

  学科試験 実技試験
試験日 第1回:10月、第2回:3月
※二輪は第1回のみ
第1回:1月、第2回:8月
※二輪は第1回のみ
受験料 4,200円 12,000円
試験時間 ガソリン・ジーゼル・二輪:80分
シャシ:60分
30分
出題数 ガソリン・ジーゼル・二輪:40問
シャシ:30問
3問
試験内容
  • 構造・機能と取り扱い方法の一般知識
  • 点検・修理・調整と完成検査の方法
  • 整備用の試験機・計量器と工具の構造・機能と取り扱い方法
  • 材料と燃料油脂の性質と用法の一般知識
  • 図面の初等知識
  • 保安基準その他の自動車の整備の法規
  • 基本工作
  • 点検・分解・組み立て、調整と完成検査
  • 一般的な修理
  • 整備用の試験機、計量器と工具の取り扱い

2級自動車整備士試験の難易度

2級自動車整備士の登録試験の学科試験を受験した人数と合格率をまとめました。
最も受験者数が多いのは2級ガソリン自動車整備士で、2018年度は受験者数が10,624人、合格率は87.3%でした。

14年度 15年度 16年度 17年度 18年度
ガソリン 受験者数 12,294人 12,186人 12,057人 11,540人 10,624人
合格率 79.5% 77.5% 85.9% 88.2% 87.3%
ジーゼル 受験者数 9,466人 9,379人 9,412人 9,011人 8,277人
合格率 93.0% 91.6% 93.7% 91.9% 93.4%
シャシ 受験者数 248人 253人 217人 279人 268人
合格率 89.1% 91.3% 92.2% 89.6% 84.7%
二輪 受験者数 656人 669人 632人 672人 688人
合格率 68.4% 72.5% 80.1% 75.3% 71.1%

2級自動車整備士の給料事情

整備士ジョブズが2011年4月~2018年5月までの間に転職サービスを利用した自動車整備士を対象に行った調査によると、2級自動車整備士の平均年収は433.3万円(平均年齢31.7歳)でした。整備士全体の平均年収(372.5万円、31.0歳)と比べて60万円ほど高くなっています

資格取得で給料アップを狙うなら、車検の完成検査を担当するのに必要な自動車検査員の国家資格を取るのがおすすめ。ディーラーで働いている人で社内資格制度がある人は、上位資格を目指すことで給料が上がる可能性もあります。

2級自動車整備士は、自動車整備士として活躍するために欠かせない資格です。まずは2級ガソリン自動車整備士を目指し、仕事内容や伸ばしたいスキルに合わせてほかの資格を取っていくと仕事の幅が広がっていくでしょう。

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