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自動車整備士の将来性は?
給料は上がる?待遇は良くなる?転職事情は?

公開日

「深刻な人材不足」「仕事がきつい。でも給料は安い」……そんなイメージがつきまとう自動車整備業界。自動車整備の仕事はずっとやっていける仕事なのでしょうか。様々なデータから、自動車整備士の将来性を考えていきたいと思います。

自動車整備士の将来性は「ある」

自動車整備士の仕事の将来性は十分にあります

低年収、人手不足、整備士の高年齢化など解決しなければいけない課題が自動車整備業界に多いことは、ニュースでもたびたび報じられているのでご存じの方も多いでしょう。当然、働いている自動車整備士さんは肌身で感じていることかと思います。

そんな自動車整備士がどうして将来性があるのか、本記事では需要、給与、待遇、転職などの面から解説していきたいと思います。

自動車整備士の仕事は「なくならない」

自動車整備士は、自動車という社会的な基盤を支える重要な仕事です。それだけに、自動車整備士の仕事はなくならない…というより、なくすと社会システムが崩れてしまうので絶対になくせない仕事です。

自動車整備業界が深刻な人手不足にあるのも事実です。現在、政府は自動車整備士不足を解消すべく人材の募集、定着、育成について対策を講じています。まずは人材の背景にある労働環境の悪さ、残業時間の多さ、休みの不規則さ、年収の低さなどの待遇面の課題を解決させなければ人材不足の解消は難しいでしょう。

しかし、企業側の努力や現役整備士の皆さんの頑張りで、少しずつ待遇は良くなっています。次章からは、その点をご紹介しましょう。

自動車整備士の年収は「年々上がっている」

一番気になる自動車整備士の年収からお話します。

自動車整備士の年収は年々あがっています。平成29年度の387万5,000円から令和4年度は404万4,000円になり、自動車整備士の年収は5年間で約16万9,000円の上昇が見られます。

自動車整備士の年収

出典:日本自動車整備振興会連合会『令和4年度 自動車特定整備業実態調査結果概要
国税庁『令和4年分 民間給与実態統計調査』を元に整備士ジョブズで作成

青い線が自動車整備士の年収を表しています。右肩上がりに上昇しているのがわかりますね。ただし、全職種(グレーの線)に比べるとやや低めとなっていますので、さらなる年収アップを期待したいところです。

転職することで年収アップも可能

業界全体の年収アップを待つのも一つですが、これまでの整備士としてのキャリアを活かして、より年収の高い企業に転職するという積極的な行動もできます。求人件数が多い自動車整備業界ならではと言えるでしょう。

たとえばディーラーへの転職です。キャリアを重ねていきながら、社内資格に挑戦し、自動車検査員などの国家資格を取ることで年収アップが可能です。また、整備主任者や工場長を経験してからサービスフロント業務に就くことで500万以上の年収も実現可能です。フロント業務に抵抗がある方なら、メカニックに専念できる外車ディーラーがおすすめです。

高い年収を得るには、当たり前ですが自己研鑽と努力が必要です。その自己投資が報われるのが自動車整備士です。

自動車整備士の待遇は「改善されてきている」

自動車整備士の待遇は徐々に改善されています

かつては「3K」と言われ、冷暖房がない工場で朝から晩まで油まみれになって働いても給料が安い、といったイメージが付きまとっていた自動車整備業界。その姿が今日では変わりつつあります。

ディーラーの整備工場などはエアコンを完備しているところがほとんど。残業についても、繁忙期以外は定時で帰れることも多く、ひと月あたりの残業時間も上限を設けて、ワークライフバランスを考慮している会社も少なくありません。

また、ハイブリッド車や電気自動車、電子制御部品が多くなってきたことで、部品をアッセンブリー交換することが増えてきました。それを「整備士の腕の見せ所がない」と捉える方もいますが、油まみれになる仕事という面は改善されています。

年収については前述したとおりです。それ以外にも、年間休日数が多い会社や、明確な評価制度を持つ会社など、自動車整備士が働きやすい会社が増えています

自動車整備士は「就職・転職しやすい」

自動車整備士は就職、転職がしやすいのもメリットです。

先ほど説明したとおり、自動車整備業界は慢性的な人手不足です。働く人に対してどれくらいの求人があるかを数値化した「有効求人倍率」という指標があります。その値が高ければ高いほど「働く人が足りていない」ということになります。

自動車整備士の有効求人倍率は4.55倍(令和3年度)。なんと、全職種の平均有効倍率の4倍の数字となっています。そこからも、自動車業界がいかに人が足りてないのかがわかります。

参考:『整備士不足はどこまで深刻化する? 解消はするの? 年収や仕事の将来性は?

有効求人倍率が高いということは、自動車整備士は「売り手市場」であるということです。自動車整備の専門学校は「就職率100%」を掲げている学校がほとんど。さらに、転職する際も、ディーラー各社をはじめ、業態、仕事内容や待遇などこだわりたい条件に合う会社を選ぶことも可能です。

自動車整備士を続けていくための「必要なスキル」

今後、自動車整備士を続けていくために必要なスキルはなんでしょうか。

  • 高度化する技術に対応する
  • 得意なジャンルを極める

高度化する技術に対応する

100年に一度と言われる自動車改革が起きている今、自動運転、電気自動車、自動ブレーキなど、これまでになかったさまざまな最新技術が生まれています。自動車整備に必要な知識やスキルも、これまでの分解整備から一気に増えてきました。

「勉強が追いつかない」という整備士の方も多いでしょう。整備士向けの技術研修を行っている会社も多くなってきたものの、自分で勉強しなければいけないことは数多くあります。

大変だとは思いますが、最新技術の知識と整備技術は今後の自動車整備士に欠かせないものです。必須のものとしてしっかり学び、身につけることで自動車整備士として引き続き活躍できます。

ディーラーにいると、メーカーの技術研修に参加できたり、整備技術の情報が得られるので強みになりますので、最新技術に対応していきたいという方はディーラーへの転職がおすすめです。

自分の得意なジャンルを見つける

敢えて、得意ジャンルを極めて生き残っていくという手もあります。

たとえばメカニカルな分解整備にこだわる整備士は、クラッシックカー(旧車)につよい整備工場で働く、スポーツカーの整備・チューニングに強いショップでカスタムを手掛ける、外車など特定の車種が好きなら専門店で働く、といった選択もできます。

板金塗装(BP)も、今後強みがある職種です。センサーが搭載される車種では、ボディやバンパーのわずかな歪みも調整が必要になります。板金技術は自動車整備・修理技術の中でも熟練した職人技が必要です。自動車車体整備士などの国家資格を取得することも有利になるでしょう。

まとめ

自動車整備士の待遇や労働環境については、まだまだ課題が山積みである、というのが現実です。そこに我慢できず、異業種に転職される整備士も数多くいます。

しかし、本記事で説明したように、徐々に待遇は改善されてきていますし、自動車整備が「一生食っていける」スキルであることはこれまで通り変わりません。

大事なことは、「国や企業がこの状況を変えてくれる」と期待しすぎず、自らキャリアアップのために行動することです。条件がいい求人はたくさんあります。自分のスキルやキャリアの価値を上げていきましょう。

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