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  3. 中古自動車販売士とは? 資格内容、研修試験、更新について解説

中古自動車販売士とは?
資格内容、研修試験、更新について
解説

公開日

間違いのない中古車を安心して購入したい、そう考えるお客様が増えている昨今。そのお手伝いができる資格が「中古自動車販売士」という民間資格です。どのような資格なのか、どんな業務ができるのか、資格を取る試験は難しいのか、そんな気になるところをこの記事では分かりやすく解説します。

中古自動車販売士とは

中古自動車販売士は、お客様が安心して中古車を購入できるよう、車両の状態を正しく評価し、お客様が必要とする情報を適切に提供するプロフェッショナルです。

国内にはたくさんの中古車が流通しています。中古車の年間登録台数は、新車登録台数の約1.5倍。つまり、多くの方が中古車を必要としていることが分かります。

中古自動車販売士は中古車を必要とするお客様と中古車販売業界、それぞれの利益に寄与する資格として、近年、注目されています。

中古自動車販売士の資格について

中古自動車販売士は国家資格ではありません。
一般社団法人日本中古自動車販売協会連合会(JU中販連)が運営・管理する民間資格となります。

中古自動車販売士の資格は、お客様が中古車を安心して購入することができるよう、中古車市場を健全に発展させるために設けられました。JUが中古自動車販売士制度と販売士の職業倫理規定を定めており、販売士の知識・技術の向上と販売士の職業的自覚の醸成を目指しています。

中古自動車販売士と中古車査定士の違いは

中古自動車販売士と混同されやすい資格に「中古車査定士(中古自動車査定士)」があります。

中古自動車販売士は、文字通り「中古車を販売する」際に公正であることを証明する資格です。中古車査定士は、自動車を下取り、または買い取りをする際に、車両の状態から適正な価格を判断する資格です。

また資格を運営管理する団体も異なります。

■中古自動車査定士
一般財団法人 日本自動車査定協会(JAAI)が運営管理する資格
■中古自動車販売士
一般社団法人 日本中古自動車販売協会連合会(JU) が運営管理する資格

ただし、まったく無関係であるかというと、そうではありません。

中古自動車販売士の研修試験において、中古自動車査定士の資格を有している人は、車両の品質評価に関する研修と試験の一部が免除されたり、受験費用が割り引かれたりします。※詳しくは『中古自動車販売士の試験|試験内容、費用、難易度、勉強方法』の章で解説します

中古自動車販売士の登録者数

JUに登録・JUのサイトで情報公開されている中古自動車販売士は約6,600人います(2023年9月現在)。

過去の資料では、約8,000人(平成26年時点)ですので、販売士数はおおむね6,000~8,000人前後で推移していると推測されます。

今後、中古車の販売では、より安心感を求める顧客が増えていくと予想されます。したがって、中古自動車販売士の資格の必要性を感じる販売店は増える可能性があります。

中古自動車販売士の資格取得の必然性も上がっていくかもしれませんね。

中古自動車販売士資格の有効期限、更新研修について

中古自動車販売士の資格には、初年度は2年間、以降は3年間の有効期限が設けられています。

中古自動車販売士の資格を更新するためには、更新研修を受けなければなりません。

更新研修についてはこちらをご覧ください。

開催時期 毎年10月~1月
受講費用 3,000円(税込)
受講方法 eラーニング
受講内容 自動車公正競争規約、注文書、契約・買い取り等関連(研修修了後に更新試験あり)

こちらは平成26年の情報ですので、受講費用や内容について、現在は内容が少し変更されているかもしれません。あくまで参考にしてください。

中古自動車販売士の試験|試験内容、費用、難易度、勉強方法

中古自動車販売士の資格取得にはJUが実施する研修を受講し、修了試験に合格する必要があります。

ここでは、中古自動車販売士の研修と試験について詳しく解説します。

中古自動車販売士の受験資格

中古自動車販売士の研修試験を受けるためには、次の資格要件があります。

  • 年齢は満18歳以上
  • 中古自動車の販売で1年以上の実務経験
  • 普通自動車1種免許の保有

※『中古自動車販売士制度要綱』第2章第3条の1「認定要件」より

さらに、研修試験を受ける際には、「日本国に住所を有すること」と「JU会員販売店、または自動車公正取引協議会会員店に在籍していること」も条件になります。

中古自動車販売士の研修内容

続いて、中古自動車販売士の研修試験の内容について解説します。
一般財団法人日本中古自動車販売協会連合会が公開している試験内容はこちらです。

試験日 10月より随時実施
研修試験の内容 10:00 車両品質評価 研修
13:00 コンプライアンス 研修
16:00 筆記試験
17:00 終了
筆記試験の内容 車両品質評価、コンプライアンスについてマークシート式(解答選択式)
試験会場 各都府県JU協会、北海道JU各支部

※所属する協会以外での受験も可

中古自動車販売士の研修は、「車両品質評価」と「コンプライアンス、歴史関連」の2項目です。

この研修に参加し、筆記試験に合格するのが中古自動車販売士の資格取得の要件となっています。

車両品質評価についての研修内容

車両品質評価の研修では、車の修復歴の判断基準、ボディ構造などの基礎的な知識を学びます。

詳しい研修内容と要点は次の通りです。

中古自動車販売士の研修内容(車両品質評価)

内容 要点
修復歴の判断基準 修復歴になるもの、ならないもの
ボディ構造と各名称 外板パネルと骨格部位
点検手順 痕跡発見手順
修復歴痕跡の説明 正常と修理の違い

出典:日本中古自動車販売協会連合会『2023年中古自動車販売士研修試験』を基に整備士ジョブズで作成

なお、中古自動車査定士の資格保有者は、この研修と筆記試験が免除されます。

コンプライアンス、歴史関連項目の研修内容

コンプライアンス、歴史関連項目の研修では、中古車販売業界および中古自動車販売協会の歴史的側面から、中古車という商材の特殊性や中古車販売業界が抱える要素、そして中古車販売にまつわる法規やルールを学びます。

詳しい研修内容と要点は次の通りです。

中古自動車販売士の研修内容(コンプライアンス、歴史関連)

内容 要点
歴史 中古車専業店の必然性
富洋モータース事件 商材としての問題(レモン市場)
中販連設立
公取協設立
規約、ルール
契約関連事件
社会問題
消費者契約法、モデル注文書、説明の重要性
車庫飛ばし事件 車庫法
メーター巻き戻し
ディーラーに排除命令
走行管理システム、NAK
盗難車販売
ニコイチ販売
古物営業法、不正品の見分け方
割賦販売と社会問題 割賦販売法、中古車販売業界と信販の関係

出典:日本中古自動車販売協会連合会『2023年中古自動車販売士研修試験』を基に整備士ジョブズで作成

中古自動車販売士の受験費用

受験費用
認定証の発行、テキスト代を含めた金額
JU会員 15,000円(税込)
JU非会員 25,000円(税込)

中古自動車販売士の受験費用は、JU会員が1万5,000円、JU非会員が2万5,000円(いずれも消費税込)となっています。

こちらは受験料と合格後の認定証発行費用、テキスト代を含む金額となっています。

ただし次の場合、受講費用が変更になることがあります。

  • 1社から2名以上が受験される場合は、2人目から2,000円引き
  • 中古自動車査定士の資格をお持ちの方は、2,000円引き

注意しなければいけないのは、JU非会員の方が受験される場合は、合格後の販売士登録料金が別途5,000円必要になります。

なお受験料の支払いは、所属のJU協会事務局で行います。支払い方法については、所属の各JU協会までお問い合わせくださいね。

中古自動車販売士の合格率、難易度

続いて、中古自動車販売士の研修試験の合格率と難易度を見ていきましょう。

中古自動車販売士の合格率は不明です。
というのは、資格を運営管理するJUが、過去の試験の合格率を公表していないからです。

しかし、過去に研修試験を受けられた方によると「試験は研修内容から出題されるので、しっかり研修を受ければ大丈夫」ということです。

したがって、難易度はそれほど高くない、と推測できます。

受験される方は、研修を通じてしっかり学習して、試験に臨んで合格を目指してください。

中古自動車販売士の勉強方法

中古自動車販売士の勉強方法は、「研修でしっかり勉強する」ことです。

中古自動車販売士試験の過去問題、模擬試験などは公開されていません。JUの公式サイトにも「模擬試験問題は公開していない」と明記されています。

資格の勉強なら過去問題に取り組むのが一般的ですが、中古自動車販売士の試験では、その方法は使えないようです。

試験後に問題用紙および回答用紙を持ち帰ることも厳禁となっています。仮に持ち帰った場合は、個人の合格取り消しや受験企業全体の合格取り消しの可能性もある、という重い罰則が科せられます。注意しましょう。

試験問題は研修で使う2冊の教材『修復歴車の見分け方』『中古車販売におけるコンプライアンス』を中心に出題されますので、研修をしっかり受講して学習することが合格への近道となります。

中古自動車販売士の届出について

研修試験を受験した後、1か月程度で合格通知が送付されてきます。
晴れて合格した場合には、販売士としてJUに登録をし、誓約書を提出します。

※誓約書とは、中古自動車販売士制度要綱の認定要件を満たし、販売士の倫理規定を守ること、JUのホームページ上に販売士として情報公開されることなどに合意するものです。

その後、認定証と登録証(顔写真入りのカード)が交付されます。これでいよいよ中古自動車販売士として活躍できます。

お勤めの会社がJU会員店ではない場合は登録が必要となります。ご注意下さい。

中古自動車販売士になるメリット|将来性、給与アップ、転職

中古自動車販売士の資格の将来性

自動車の長期使用化や長寿命化、経済面の有利性などで数多くの中古車が市場に出回っています。年間の登録台数も新車を130~150%ほど上回っています。

コロナ禍で一時は登録台数が下がっていますが、2023年は前年を上回って増加している(新車・中古車とも)ので、回復傾向にあると言えるでしょう。

新車と中古車の登録台数の比較
新車と中古車の登録台数の比較

出典:一般社団法人日本自動車販売協会連合会および一般社団法人全国軽自動車協会連合会のデータ
を基に整備士ジョブズで作成

中古車の需要が増えると考えられる今後、中古自動車販売士が活躍できる場面はさらに増えていくと予測できます。

給与アップにつながることも

中古自動車販売士の資格は、2,000円~5,000円程度の資格手当がつくこともあります。

中古自動車販売店のおいては「販売士の資格は持っていて当たり前」という店舗もあり、資格手当の対象外となっている場合もあるようです。

また、整備士の国家資格に対してはほとんどの会社で資格手当がつきます。販売士よりもそちらの手当のほうが額が大きいため、販売士の資格手当はつかない、といった場合もあるようです。

販売士の資格取得を目指している方で、手当が付くかどうか気になる、という場合は、お勤めの事業所に確認してみることをお勧めします。

転職で有利になる

中古自動車販売士の資格を取得していることで、転職で有利になることも十分に考えられます。

中古車販売店が第一候補ですが、ディーラーや整備工場でも中古車の取り扱いをしている事業所は多くあります。中古自動車販売士の資格を持っていることで、即戦力的な働き方ができることをアピールできるでしょう。

また、中古自動車販売士の資格取得の援助を福利厚生のひとつにしている会社もあります。
すでにお持ちの方、そしてこれから取得しようと考えてる方は、転職を希望する会社が中古自動車販売士の資格についてどのようなサポートがあるか確認してみることをお勧めします。

まとめ

中古自動車販売士は、中古車の品質と価格を適正化し、中古車販売業の信頼性を向上させるための重要な資格です。

中古自動車販売士の資格を取得することで、中古車販売のプロとして活躍できますし、なによりお勤めの会社が「安心して中古車が購入できる店」としてお客様にアピールできるようになります。

中古車の需要がさらに高まるであろう今後、中古自動車査定士の資格は、取得したことでさまざまなメリットがあると言えるでしょう。

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