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ディーラーを訪れたお客様が最初に出会うのがサービスフロントです。サービスフロントは、お客様の要望を聞いて的確な指示を出す司令塔のような役割をしています。この記事では、サービスフロントの仕事内容や、間違えやすい「営業、整備士との違い」、年収などについて分かりやすく解説します。
サービスフロントとは|仕事内容、整備士・営業との違い
サービスフロントの仕事内容
サービスフロントは、ディーラーや整備工場に来たお客様の対応をする業種です。
車検、定期点検、修理、購入など、お客様の要望を聞き、目的にあわせて営業や整備の担当者へと橋渡しをします。
接客スキルもさることながら、自動車整備の多様な知識が必要なので、整備士として経験を積んでからキャリアアップとして就くことが多い職種です。
サービスフロントの主な仕事内容はこちらです。
サービスフロントと整備士の違い
サービスフロントは、基本的に自ら整備作業を行いません。
お客様の自動車の状態を聞き整備士に指示を出すということはありますが、実際に整備作業を行うのはサービスフロントではなく整備士の役割です。
ただし、整備はしないと言っても、サービスフロントとして活躍するには整備士と同等の豊富な知識が必要です。
サービスフロントと営業の違い
サービスフロントも販売の知識は必要です。しかし、自動車の販売についての商談は行いません。商談をするのは営業の役割です。
店頭において接客をするサービスフロントとは異なり、営業はお客様の元に出向いたり、外回りも業務になります。
サービスフロントの役割は、自動車を購入したいお客様を営業担当者につなぐことです。
サービスフロントになるには
整備士の知識を持ち、来店するお客様の要望を的確に担当者へつなぐ司令塔としてのサービスフロントの仕事に興味をお持ちの方も多いと思います。
ここでは、サービスフロントになるための方法を説明します。
- サービスフロントになるには
サービスフロントは、車検、点検、整備、修理など、お客様のニーズを的確に判断して指示を出す必要性があることから、自動車整備の知識が不可欠です。
そのため、整備士として現場で経験を積み、自動車整備士国家資格とは別に社内の技能検定があればそちらも取得し、整備主任者や工場長を経て、サービスフロントに任命されるというルートが一般的です。
サービスフロントの一日の流れ
サービスフロントはどのようなスケジュールで仕事をするのでしょうか。
ここでは、サービスフロントの1日のスケジュールを見ていきましょう。
サービスフロントのとある1日の流れ
- [9:00]出社
- ショールームの清掃など開店準備。当日の来店予約を確認
- [9:15]朝礼
- スタッフ全員で朝礼を行う。来店予約や伝達事項を伝える
- [9:30]営業開始
- お客様が来店。対応開始
- [12:00]昼食
- 店舗内のスタッフルームにて、メカニックや営業マンと昼食をとる
- [15:00]
- 車検や整備の受付。メカニックへの指示出し
- [18:00]営業終了
- 翌日の準備(予定の確認、部品発注、書類の確認など)
- [19:00]退社
- 最後に店舗内を確認し、消灯をして退社
サービスフロントの待遇|年収、残業について
サービスフロントの年収
続いて、サービスフロントの年収を見ていきましょう。
※サービスフロントの年収については、発表されている公的なデータは存在しないので、整備士ジョブズに掲載されている求人情報から、中途採用時の想定年収(賞与込み)を集計します。
サービスフロントの想定年収
国産車ディーラー | 外国車ディーラー |
---|---|
350~600万円 | 400~650万円 |
整備士JOBSに掲載された求人情報を基に算出
サービスフロントの想定年収は、国産車ディーラーの場合は350万円から600万円、外国車ディーラーの場合は400万円から650万円(整備士JOBS調べ)です。年収は、企業、地域、年齢、経験などで差があるため、あくまで参考値としてお考えくださいね。
『令和4年度 自動車特定整備業実態調査結果の概要について』(日本自動車整備振興会連合会)によると、ディーラー勤務の整備要員の平均年収は480.5万円です。これは国産ディーラーの想定年収の平均値(475万円)とほぼ同じです。
メカニックからサービスフロント業務になることで、一般的には給与はアップすると言われています。理由は、インセンティブがつくからです。頑張りが給与に直結するのは嬉しいですよね!
サービスフロントになれば、年収アップが可能になるでしょう。
サービスフロントの残業
サービスフロントは、お客様の都合に合わせて業務を行うため、残業はやや多くなる傾向があります。
会社によって環境や条件は異なりますので、サービスフロントへの配置転換を打診された場合は、しっかり確認してみるといいでしょう。
「うちの会社はサービスフロントの残業時間長いから…」と諦める必要はありません。
最近は、「残業ゼロ」や「月20時間以内」などの好条件の求人もあります。ライフスタイルに合わせて転職も視野に入れてみることもおすすめです。
まとめ
サービスフロントは、ディーラーの顔というべき存在です。
お客様にとっては、カーライフをサポートしてくれる心強いパートナーとなります。
ディーラー内では、的確な指示を各担当に伝える司令塔です。自動車整備の知識、販売の知識も必要な、高度な役割といえるでしょう。
ある日「サービスフロントをやってほしい」と言われ、「接客なんてしたことがないし…」と不安を覚えてしまった、という整備士さんは多いかもしれません。整備のようにもくもくと一人でこなす、という仕事のスタイルも変えざるを得なくなります。
しかし、整備士の力量と人間性を評価されたゆえの選任ですので、ぜひチャレンジしてみることをおすすめします。整備士として成長できるとても良い機会になると思いますよ。