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バイク整備士として働くためにはどのような資格や条件が必要なのでしょうか。本記事では、バイク整備士の資格の種類、資格を取得するとどんなことができるようになるか、資格の取り方などをわかりやすく解説していきます。
バイク整備士とは
バイク整備士は、オートバイ(2輪自動車)を専門に整備するプロフェッショナルです。
バイク整備士になるためには、バイク専用の整備士資格が必要です。資格の正式名称は「2輪自動車整備士」です。
2輪自動車整備士の資格を取ることで、バイクのディーラーや、バイクの専門ショップなどで整備士として働くことができます。
バイク整備士の資格の種類
2輪自動車整備士の資格は、国家資格である自動車整備士の一つです。
バイク整備士の資格は3段階あります。
取得した資格によって、できる業務が異なります。まずはその種類をしっかり理解するところからスタートしましょう。
この記事では、三級から説明していきます。
三級2輪自動車整備士
- ■三級2輪自動車整備士とは?
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三級2輪自動車整備士の資格を取得すると、オートバイや原動機付自転車のタイヤ交換やエンジンオイルの交換、各部の点検などをすることが可能になります。
三級2輪自動車整備士の資格でできるのは、主に基礎的な整備です。分解をともなう整備および修理はできません。分解整備を行うのは、二級2輪自動車整備士の資格保有者の監督下においてのみ可能となります。
三級2輪自動車整備士は他にも制限があるので、バイク整備士としてディーラーなどで働いていくことを希望されるのであれば、ステップアップして二級2輪自動車整備士の資格を取得することをおすすめします。
二級2輪自動車整備士
- ■二級2輪自動車整備士とは?
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二級2輪自動車整備士は、オートバイや原動機付自転車などの分解をともなう整備ができます。二級2輪自動車整備士の資格があれば、エンジンの脱着やブレーキの分解整備など、重要な整備もすべて行うことができます。
次項で説明しますが、一級2輪自動車整備士は試験が実施されていないため、実質的に二級2輪自動車整備士が最上級の資格となります。
また、「いずれ独立して開業したい」と考えている方は、この二級2輪自動車整備士が必要です。三級2輪自動車整備士では独立ができない(整備主任者になれない)ので注意しましょう。
一級2輪自動車整備士
一級2輪自動車整備士は、自動車整備士制度の中で決められている国家資格です。しかし、これまでは二級、三級の整備士の整備技術向上を重要視していたことなどから、一級2輪自動車整備士の試験は実施されていません。
バイクは自動車に比べてクリアしなければいけない技術的課題も多いことから(システムの小型軽量化、耐久性向上など)、市販化に至っている技術は多くありません。しかし、着実に技術は進歩しています。遠くない将来、一級2輪自動車整備士の試験も始まるかもしれません。
その証拠に、2027年に予定されている自動車整備士制度改正においても、一級2輪自動車整備士資格はそのまま残る予定です。
4輪の自動車整備士資格でバイク整備士はできる?
4輪の自動車整備士資格を持っていても、バイクの整備はできません。バイクの整備をするためには、二級ないし三級の2輪自動車整備士資格が必要になります。
無資格でバイク整備士の仕事はできる?
バイク整備士の求人情報には、「無資格OK」の条件がある企業も数多く掲載されていますよね。無資格でもバイク整備の仕事はできるのでしょうか。
無資格者でも、バイク整備の仕事はできます。ただし、有資格者の補助的な作業(オイル交換や点検)が基本となります。分解をともなう整備を行う場合は、二級2輪自動車整備士の監督下なら可能です。
バイク整備士の資格を取る方法
2輪自動車整備士になるためには、学歴によって取得までのルートが異なります。
複数のパターンがあるので、まずこちらの図をご覧ください。
出典:日本自動車整備振興会連合会『自動車整備士を希望されるみなさんへ』を基に整備士ジョブズで作成
2輪自動車整備士の資格を得るためには、大きく分けると2つのルートがあります。
- 自動車整備専門学校で学んで取得する
- (これまでの学歴をベースに)整備工場で働きながら取得する
それぞれ解説していきます。
整備専門学校で学んで取得する
高校卒業をされている方で、2輪自動車整備士を目指している方は、自動車整備専門学校の自動車整備学科等に入学し、学ぶ方法があります。
期間は2年間です。費用は200万円ほどかかります(入学金を含む2年間の合計)。
お金も時間もかかりますが、専門的な知識と技術を学べることは大きな財産となるでしょう。また国家試験では、実技が免除となることもメリットに挙げられます。
(参考)『自動車整備士の専門学校一覧・学費比較』
整備工場で働きながら取得する
自動車整備専門学校に通う以外の方法として、整備工場で働きながら実務経験を積んで受験資格を得る方法もあります。
この方法だと、いきなり二級2輪自動車整備士を受験することはできません。決められた期間(学歴によって異なる)の実務経験を積むことで、まず三級2輪自動車整備士の受験資格が得られます。
三級2輪自動車整備士の試験に合格して資格を得た後、整備工場でさらに決められた年数の実務経験を積むと、三級2輪自動車整備士の試験の受験資格を得ることができます。
時間はかかりますし、働きながら試験勉強をするのはとても大変です。しかし、実際のバイク整備を通じて得られる知識とスキルは、資格を取得すること以上に、バイク整備を深く理解するための経験値になるはずです。
まとめ
本記事では、2輪自動車整備士の資格について説明しました。
三級および二級の2輪自動車整備士の違いや、資格取得方法について理解していただけたでしょうか。
「資格はないがバイク整備の仕事をしてみたい!」という方にも、2輪整備の業界は飛び込みやすいという傾向があります。やる気と熱量があれば、働きながら資格を取得し、スキルアップを目指すことは可能です。
専門学校に通うと高額な費用がかかりますが、結果的に高いスキルを得られ、整備現場ですぐに重要な整備をすることが可能です。もし、できるだけ短期間でバイク整備士として働きたいとお考えであれば、専門学校に通って二級2輪自動車整備士の資格取得を目指すのがベターです。また、就職面でも有利になります。
いずれにしても、「バイクが好き」「バイクをいじるのが好き」という方にとって、2輪自動車整備士資格はとても魅力的です。
頑張って目標の資格取得を目指してください!